六回、マウンドを小坂㊨に託す国泰寺の先発藤尾

　【全国高校野球選手権広島大会4回戦　広島商5―2国泰寺（21日）】 　国泰寺は終盤まで接戦に持ち込んだが、九回サヨナラ負けを喫し、5年ぶりの8強入りを逃した。花谷祐輔監督は「スタンドも含め、最後まで全員が一生懸命頑張った。頼もしい、自慢の選手」と声を詰まらせた。 2024年夏の高校野球広島大会勝ち上がり表（組み合わせ表） 　広島商の強力打線に2人の投手が立ち向かった。先発の藤尾壱大は走者を出しても落ち着いて低めに制球し、五回まで1失点。しかし、2―1の六回に「中断明けにリズムを崩してしまった」と3連打で追い付かれた。なお無死一、三塁でマウンドに向かった小坂陸弥は「同点にとどめてくれた。絶対に抑えて流れを持ってくる」。2三振を奪い、ピンチを切り抜けた。 　小坂は八回まで無失点と好投。しかし九回に3ランを浴び「自分の力が足りなかった。申し訳ない」と泣き崩れた。藤尾は「練習試合でもよくピンチを救ってくれた。小坂が打たれたら仕方ない」とかばった。魂のこもった投手リレーが、夏の舞台で輝いた。