<掛布雅之が語る>下馬評の低い阪神 どうすれば広島に勝てるか
過去3度、ファーストステージで敗退
クライマックスシリーズが近づいている。阪神は、この制度が導入されて以来、過去に3度出場しているが(そのうち2度は2位チームとして)、ファーストステージを勝ち抜いた経験がない。今回も2位のため、本拠地、甲子園を味方につけることができるが、広島は9月に入って手のつけられないほどバランスのいいチームに仕上がっている。しかも、前田健太という絶対的エースを持っている。 [表・記事]広島がぶっちぎりの首位だった 9月の成績 早くも、マエケンが12日の第一戦に先発すると報道されているが、今季、対阪神に6試合に先発して4勝1敗、防御率は、0.40の成績。驚くべきは、甲子園での登板は、2勝0敗で、防御率、0.00。1点も取られていない。よほど広い甲子園との相性がいいのだろう。そうなると阪神に本拠地のメリットは少ない。 阪神は、万全の戦略を準備してCSを迎えねばならないと思う。
初戦の先発は能見が適任
まずは3試合の先発投手をどうするかである。 能見、メッセンジャーの順番でいくのか。それともメッセンジャー、能見でいくのか。また3戦目に用意しておく投手は、藤浪なのか、スタンリッジなのか。 今季、能見は、最多勝タイトルを獲得してもおかしくなかったと思う。それだけの実力を持った左腕だ。しかし、結果は、11勝7敗、防御率、2.69の数字。WBCの参加による影響なども序盤はあっただろうが、対巨人戦での3敗など、ここ一番で期待を裏切った。 対広島には1試合しか登板していないので、その相性はわからないが、私は、あえてマエケンに能見をぶつけるべきだと考えている。真のエースとして、もう一皮剥けるためにも、CSという大きな舞台でマエケンに投げ勝ってもらいたいのだ。
第3戦は藤浪が先発
第3戦の先発も藤浪を推す。 足の揺さぶり、癖を利用した隙のない攻め……広島の伝統的な嫌らしい野球は、藤浪にとっては、不得意な部類に入るチームだろう。しかも、1勝1敗で迎えた3戦目の心理的圧迫は凄まじいものだ。そういう緊張感のあるマウンドにあえて身を置き、そして勝つことは大きな経験、成長のきっかけとなる。勝負と同時に来季を見据えて藤浪にチャンスを与えて欲しいと思う。