20匹以上の保護猫と暮らした愛猫家町田康さんが選ぶ“猫の手触り”を感じる音楽3曲「私にとって猫は憧れ」
●「黒猫の叫び!(BLACK CAT MOAN)」ベック・ボガート&アピス/エピック・レコード
「高一くらいの時ムチャクチャ聴いていた。ギターが黒猫の鳴き声という事なのだろうと思うが、白猫とあまり区別がつかない」――町田さん ベック・ボガート&アピスは、イングランドのギタリストジェフ・ベックを中心に結成され、当時「ロック・トリオの最高峰」と注目を集めたハードロックバンド。1972年から74年まで活動。 「黒猫の叫び!」は、ドン・ニックス原曲のカバー曲としてデビューアルバム『Beck, Bogert & Appice』に収録された。 世界中のアーティストがこの楽曲をカバーしており、日本ではギタリストCharが2011年にジェフ・ベックのカバーアルバムで取り上げたことでも知られている。 「BLACK CAT MOAN」(『Beck, Bogert & Appice』収録より) 作詞・作曲 ドン・ニックス Looky here Sunshine comin’ over the hill Just through my window pane Sunshine comin’ over the hill But it might as well be rain I got the black cat moan I got the black cat moan Got the black cat moan but I don’t know why
●「愛しのマリンバ」黒猫同盟/ビクターエンタテインメント
「猫の時間を感じる。死後の平安を感じる」――町田さん 音楽プロデューサーの上田ケンジと小泉今日子による「黒猫の目線を通して見つめた世の中」を音楽で描くユニット「黒猫同盟」のセカンドアルバム(2024年2月22日に発売)に収録された曲。 ユニット名は、ふたりが同時期に黒猫を保護したことに由来。 ゆったりとしたマリンバとギターの優しいメロディとコロコロと変わるテンポがまるで猫のような楽しい一曲。 「愛しのマリンバ」(『ムーランルージュの黒猫』収録より) 作詞・作曲・編曲 上田ケンジ マリンバの梯子で空の上まで マリンバの梯子で靴音響かせ 明日も一緒さ ルルル ルルル‥‥ 町田 康(まちだ・こう)さん 作家 1962年大阪府生まれ。97年初の小説『くっすん大黒』で野間文芸新人賞、2000年に『きれぎれ』で芥川賞受賞。猫との日々を綴ったエッセイとして『猫にかまけて』『猫のよびごえ』など。16年からはバンド「汝、我が民に非ズ」を始動。23年に『口訳 古事記』で舟橋聖一文学賞受賞。 猫とは: 「憧れ」 K-POP界のレジェンド、ドンヘさん、ウニョクさんをお迎えしたスペシャルインタビュ―、JOさんと愛猫ミントの貴重な2ショット、SNSで話題沸騰中のマンガ『猫に転生したおじさん』作者・やじまさんによる特別描きおろしマンガ&シール付録など、「猫のいる毎日は。」特集は「CREA」2024年夏号でお読みいただけます。