トランプ氏勝利となれば日本の自動車産業はどうなる? 専門家が見る”追い風”と懸念材料
メ~テレ(名古屋テレビ)
トランプ氏の優勢が伝えられるなか、東海地方で特に気になるのが自動車産業への影響です。専門家に話を聞きました。 中京大学 経済学部 内田俊宏 客員教授 「トランプ政権の方が(ハリス氏と比べて)環境対応車に関しては、かなり緩い姿勢ですので、これまでのようなEV(電気自動車)シフトではなくて、むしろガソリン車だとかハイブリッド車が見直される可能性は高いと思います」 トランプ氏が勝利すると、日本の自動車メーカーには"追い風"となりそうな反面、懸念材料もあります。 「財政出動するということでドルに対してはドル安の流れというものもありえますし、一方でトランプさんというのは現状の円安を改善したいと。円安を円高にして、なるべく対米黒字を減らしたい。そういった思惑もありますので、そういった意味で為替相場もかなり大きな乱高下、変動が予想されるという状況です」(内田客員教授) さらに…。 「日本からの輸出ではなくて、現地生産を増産対応する可能性が高いということになりますと、国内でのこの地域での下請け部品メーカーへの発注量が減るリスクもあるのかなと思います」(内田客員教授) またトランプ政権誕生の場合、不確定な要素も多く、政府が新政権と信頼関係を築いていくことも急務です。 「円高圧力に対してもその都度やはり対応をきめ細かにしていかないと、そういった意味では為替相場の面でも貿易の面でも(日本へ)逆風が吹く可能性というのは十分あると思います」(内田客員教授)
ものづくりの現場はどう見る?
トランプ氏の勝利宣言を、ものづくりの現場はどう見ているのでしょうか。 愛知県日進市の自動車部品メーカー「荒川工業」の杉谷卓志社長は…。 「日本でものづくりをやっていくうえで、安心できるかという分岐点だったと私は見ています」 トランプ氏が再選するとバイデン政権下で進められてきた「EV政策」が転換する可能性があります。 「電動化になると、原材料のコストが高いから自動車メーカーは儲からない。だから遅れれば遅れるほど我々としてはありがたい。それまでに生産性をどんどん上げていきたい、力をつけたい」 杉谷社長は「自動車の電動化は避けられない」としたうえで、新たなビジネスチャンスを見つけていく必要性を訴えます。 「トランプ氏になれば日本に対する要求・責任が増してくると思うけど、やっぱり日本もそれに応えて成長していかないといけないと思っている」