ミレニアムの傘下入り、自身のヘッジファンド閉じチームと共に大手へ
(ブルームバーグ): マーシャル・ウェイス出身のヘッジファンド創業者、ラメシュ・カルティゲス氏は、自身のヘッジファンドを閉鎖しミレニアム・マネジメントの傘下に入る。大手の資金力に魅了されたブティック型ファンド創業者の最新例だ。
事情に詳しい関係者によると、カルティゲス氏は約4年前に設立したカイゼン・キャピタル・パートナーズの資本をミレニアムに移す。投資チームを引き連れて来年ミレニアムに入社し、シニアポートフォリオマネジャーとして勤務する予定だという。
カルティゲス氏は、グローバルな大手ヘッジファンドであるミレニアムがカイゼンの従業員により良い機会を提供できることに引かれて移籍を決めたと、関係者が匿名を条件に語った。カイゼンはアジアを中心に投資する。
ミレニアムはコメントを控えた。カイゼンの担当者はコメント要請に返答しなかった。
過去6年間で資産を2倍の700億ドル(約10兆5000億円)に増やしたミレニアムは、投資の才能ある人材の採用と外部チームの支援を強化している。
一方、アジア太平洋地域のヘッジファンドは、同地域最大の市場の一つである中国への投資家の関心が冷え込む中、資産拡大の困難に直面している。
カルティゲス氏の決断により、近年この地域で最も注目されていたヘッジファンドの一つが消えることになった。同氏は当初、香港でカイゼンを立ち上げ、その後シンガポールに移った。カイゼンのファンドは2020年4月の設立から今年10月までに年率15%のリターンを生み出し、MSCIアジア太平洋指数の約10%を上回った。
主にアジア太平洋地域の取引所に上場する株式に強気と弱気のポジションを取り、中国低迷が地域の同業他社に広範な損失をもたらした22年に28%の利益を上げた。関係者によれば、今年最初の10か月の成績はプラス20%。年間成績が唯一マイナスだった23年の20%損失を埋める方向だという。
ミレニアムは最近、外部の投資チームを多数支援している。ニューヨークを本拠とするスコピア・キャピタル・マネジメントに約10億ドルの運用を委託するほか、クリス・トゥッツォ、ウォーレン・エンピー両氏はミレニアムのブランドである「ノースアロー・キャピタル」で約8億ドルを運用する。