【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第10ステージ】パレパントル兄弟が絶妙コンビネーション 弟・ヴァランタンがプロ初勝利、勝ってみて思う「今まで何で勝てなかったのだろう?」
ついにめぐってきた兄弟逃げのとき。逃げている間、言葉をかわすことはあまりなかったけれど、それぞれに自信をもって先頭を走っていた。それが確信に変わったのは残り3km。「ここで行かなければゲームオーバー」との覚悟で勝負に出た。昨年この大会で名を売った兄に続き、弟も日の目を見る時がきた。
ジロ・デ・イタリアは第2週がスタート。中盤戦の幕開けとなる第10ステージは、カテゴライズこそ丘陵で3つ星だが、1級山岳の頂上にフィニッシュが設けられる。ステージ優勝争いはレース中盤に形成された大人数の逃げグループのものとなり、最終盤の急坂区間で勝負を決めたヴァランタン・パレパントル(デカトロンAG2Rラモンディアル)が制した。記念すべきプロ初勝利である。
「グランツールでプロ初勝利を収めることは、僕のキャリアにおいて大きな意味を持つだろうね。勝つ脚はあると思っていたんだ。でも今まで何で勝てなかったのだろう…。勝てる実力があってもその通りにいかないのがロードレースなんだ。そう思うと、グランツールで勝つことの価値を改めて感じることができるね」(ヴァランタン・パレパントル)
休息日を経て、プロトンの状勢は変化しつつある。第1週最終日・第9ステージを勝ったオラフ・コーイ(ヴィスマ・リースアバイク)が発熱し出走を取りやめ。ほかにも3選手が大会を去ることとなった。
そんな中で始まった142kmのレースは、3人の逃げが決まったように思われたが、どうにも容認ムードにはならない。逃げの後ろでは、数人のパックが追走を図っては集団がキャッチする流れの繰り返し。なんとかアレッサンドロ・デマルキ(ジェイコ・アルウラー)とサイモン・クラーク(イスラエル・プレミアテック)が前線に残り、厳しいチェックをかいくぐった20人以上の選手がこの2人に合流を果たす。この頃には、レースは半分を消化していた。
最大で27人まで膨らんだ先頭グループに対し、メイン集団はリーダーチームのUAEチームエミレーツがコントロール。3分30秒前後のタイム差を維持し、残り距離を着々と減らしていく。
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