アップル創設者のスティーブ・ジョブズも履いていた! U.K.製モデル「991」の歴史と魅力に迫る
「990番台」シリーズの第8弾として2001年に登場した「991」。ハイテクデザインを引き継ぎ、当時の最先端テクノロジーを搭載した逸品は、唯一、イギリスメインで生産を行っているモデルだ。抜群の履き心地と品のあるデザインでスニーカーフリークを唸らせる「991」がどのようにして生まれ、ニューバランスとしてどんな位置づけをされているのかを、スニーカーシーンのキーマンであるミタスニーカーズのクリエイティブディレクター国井栄之さんに伺った。
数々の著名人も愛する「991」誕生の軌跡
ニューバランスには、ヴィジブルABZORB(アブゾーブ)という衝撃吸収と反発弾性に優れた自社開発の素材がある。2001年に「990」シリーズの第8弾として、そのクッション素材を可視化したヴィジブルABZORBを搭載したモデルとして登場した「991」。その誕生の経緯について国井さんはこう語る。 「当時、最先端の技術で最高のランニングシューズの完成を目指し、4年もの歳月をかけて作られた渾身の一足である初代『990v1』が生まれたのが1982年。そこから『990v2』かと思いきや、いきなり『995』に飛びます。1986年に『995』が登場し、1988年に『996』。
そこから『999』までは品番とともにアップデートを重ねて進化していきますが、1998年には一周して『990v2』が登場。ここからまた数字のカウントが始まって2001年に登場したのが今回ピックアップした『991』になるんですよ」 2000年代当時、「1000番台」シリーズではすでにヴィジブルABZORBが搭載されたモデルも登場していたものの、「900番台」シリーズとしては初のヴィジブルABZORBとなったのが大きな特徴だ。国井さんは続ける。
「スティーブ・ジョブズが『992』を好んで履いていたのは有名な話ですが、実はその前に『991』を履いていたのも事実です。また歴代アメリカ大統領は、大統領に就任した際に必ずニューバランスを履くことで知られているので、『991』もご多分に漏れず、履かれていると思います。著名なアーティストやクリエイターからも広く愛されているのが『991』なのです」