2月の「負債1,000万円未満の倒産」は32件 10カ月ぶりに前年同月を下回る
【産業別】10産業のうち、3産業で前年同月を上回る
産業別は、10産業のうち、農・林・漁・鉱業と小売業、情報通信業の3産業が前年同月を上回った。 小売業10件(前年同月比66.6%増、構成比31.2%)と農・林・漁・鉱業3件(同200.0%増、同9.3%)が2年連続、情報通信業1件(前年同月ゼロ)が4年ぶりに、前年同月を上回った。 一方、サービス業他10件(前年同月比58.3%減)が2年ぶり、卸売業3件(同40.0%減)と運輸業1件(同66.6%減)が3年ぶり、不動産1件(同50.0%減)が4年ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。 建設業は2件、製造業は1件で、前年同月と同件数だった。金融・保険業は、2月としては2017年より8年連続で発生せず。 業種別では、野菜作農業と無店舗小売業(その他の小売)が各2件、素材生産サービス業、建築工事業、木造建築工事業、オフセット印刷業、受託開発ソフトウェア業、貨物軽自動車運送業、酒類卸売業、非鉄金属スクラップ卸売業、医療用機械器具卸売業、野菜小売業、コンビニエンスストア、書籍・雑誌小売業、無店舗小売業(各種商品小売)、無店舗小売業(飲食料品小売)、貸家業、喫茶店、訪問介護事業、自動車一般整備業などが各1件で、前年同月を上回った。
【形態別】消滅型の倒産が100.0%
形態別は、32件すべてが消滅型の倒産だった。 破産が30件(前年同月比31.8%減)で、2年ぶりに前年同月を下回った。ただ、構成比は93.7%(前年同月100.0%)と、負債1,000万円未満の倒産の大半を占めた。 このほか、特別清算が2件で、8年ぶりに発生した。 負債1,000万円未満は、ほとんどが小・零細企業で、単独での再生計画作成はノウハウがなく難しい。また、事業の独自性も乏しく、民事再生法などの再建型ではなく、消滅型の破産を選択する企業が多い。
【原因別】販売不振が6割超
原因別は、最多が「販売不振」の21件(前年同月比22.2%減)で、2年ぶりに前年同月を下回った。構成比は65.6%(前年同月61.3%)だった。 このほか、「事業上の失敗」3件(前年同月比40.0%減)が3年ぶり、「他社倒産の余波」5件(同16.6%減)と「既往のシワ寄せ(赤字累積)」1件(同50.0%減)が2年ぶり、代表者の病気や死亡を含む「その他」1件(同50.0%減)が2年連続で、それぞれ前年同月を下回った。 一方、「事業外の失敗」が1件で、2月では2018年以来、6年ぶりに発生した。 資産背景が乏しい小・零細企業は、自力で経営不振から抜け出すことが難しい。さらに、経営再建や再生のための人的・資金的なリソースも乏しく、いったん歯車が狂うと倒産に追い込まれやすい。
【資本金別】1千万円未満が9割
資本金別は、1千万円未満が29件(前年同月比30.9%減)で、2年ぶりに前年同月を下回った。構成比は90.6%(前年同月95.4%)で、4.8ポイント低下した。 内訳は、「1百万円以上5百万円未満」が14件(前年同月比30.0%減)、「1百万円未満」が7件(同12.5%減)、「個人企業他」が6件(同45.4%減)、「5百万円以上1千万円未満」が2件(同33.3%減)と、すべてで前年同月を下回った。 このほか、「1千万円以上5千万円未満」が前年同月と同件数の2件だった。一方、「5千万円以上1億円未満」は1件で、2月では2011年以来、13年ぶりに発生した。