車の暖房はガソリンの浪費になる? どのくらい燃費が悪くなるのでしょうか?
地域によりますが、冬の車内はエンジンを切った状態で氷点下になることも珍しくありません。一般社団法人日本自動車連盟(JAF)が実験した結果によると、車内の暖房を25度に温めた後にエンジンを切ると、1時間ほどで車内の温度が15度以上も急激に低下しました。 走行中はそこまで気温が低くならないとはいえ、やはり暖房は必須といってもよいでしょう。本記事では、暖房をかけたときの燃費について解説します。
車の暖房ではガソリンの浪費につながりにくい
家に設置されているエアコンは、コンプレッサーを作動させることで電力を多く消費するため、電気代が高くなってしまいます。そのため、車の暖房もガソリンの消費につながると考える人は少なくありません。ただ、車の場合は、家用のエアコンとは車内を暖めるまでの流れが異なる点に注目しましょう。 ◆車の暖房はエンジンの熱を利用している 車のエンジンは運転中に高温になるため、それを水で冷やして排熱しなければなりません。暖房を使用する際には、エンジンの熱さで温められてお湯状態になっている水に風をあて、温風を車内に取り入れています。 つまり、暖房を使用する際にガソリンはまったく使用されていません。あえて言うならば、車を運転するために使用しているガソリンのみです。ただし、ハイブリッド車やEV車の場合は暖房時にエンジンに切り替えるため、ガソリンを多く消費します。 ◆窓ガラスの曇りをとるだけであれば外気導入でも利用可能 車内を暖めるためだけではなく、窓ガラスが曇ってしまった場合も暖房を利用する人もいるのではないでしょうか。 車内の窓ガラスが曇ったときは、エアコンの「外気導入」をオンにして外気を取り入れることで、曇りがとれるケースもあります。外気導入では車内の空気を換気できるため、必要に応じて利用するのもよいでしょう。
燃費が気になる場合はA/Cスイッチの使用に注意
環境省の「エコドライブ10のすすめ」では、車の燃費が気になる場合のひとつの方法として「A/Cスイッチ」の使用について挙げています。なにげなく使用しているときはあまり意識しないかもしれませんが、A/Cスイッチは燃費にかかわる重要ポイントです。 ◆A/Cスイッチの役割は車内の冷却や除湿 A/Cスイッチをオンにしなければならないときは、車内に冷房をかけたいときです。そもそも、A/Cスイッチの役割として、冷却と除湿機能があります。そのため、主に使用する時期は夏場が多いです。 ただ、ほかの季節でも車内の除湿をしたいとき、窓ガラスの曇りをとりたいときなどにも、こちらのスイッチの除湿機能を使用できます。一方、暖房を使用する際には、A/Cスイッチはオフのままで問題ありません。 ◆A/Cスイッチをオンにしている状態のときはガソリンを消費する こちらのスイッチはコンプレッサーを作動させますが、コンプレッサーを動かすためにはエンジンを活発に動かさなければなりません。その結果、ガソリンの消費につながります。燃費をよくしたいのであれば、A/Cスイッチは状況に応じてオン・オフするほうがよいでしょう。