U-18W杯の19球降板に見えた佐々木の不安点…ドラフト1位指名は最大4球団に減る?!
大谷翔平も日ハム時代はマメに苦しんでいた。160キロを超えてくるボールに指の皮が追いつかないのだ。速球派投手の宿命とも言えるが、片岡氏は、過去にマメに苦しんだ名投手の例を出した。 「東映の尾崎幸雄がそうだった。彼はマメで苦しんだ。酷使され右肩を痛め実働5年くらいしか活躍できなかったが、体質的にマメができやすく、皮がめくれて治ってから投げる、またできる、という繰り返しだった。今はスポーツ医科学の分野が進歩してケアが充実している。佐々木は、岩手県大会で194球、129球と投げているから投げ込んで指を固めれば心配はないのかもしれないが、こういう大切な舞台で力を発揮できず、しかも体質が影響しているのならば、スカウトによっては、そこが気になって“ちょっと指名はやめておきませんか”という球団も出てくるのかもしれない」 浪商時代に甲子園で優勝投手となり“怪物”と騒がれた尾崎氏は、ルーキーイヤーに20勝をマークして18歳で新人王。翌々年からは3年連続で20勝以上を挙げて最多勝も獲得したが、マメ、肩痛など故障に苦しみ29歳で引退した。 片岡氏は今秋のドラフトを見据えてこんな予測をする。 「岩手県大会の決勝で監督の方針で登板を回避、今回もおそらく永田監督が止めたのだろうが、1イニングだけで降板となった。潜在能力は間違いないが、未知数な点が多い。体力作りも含めてプロでやるべきことの多い投手だけに戦力に余裕のある球団しか指名できないんじゃないだろうか。日ハム、ソフトバンク、そして地元の楽天くらいか。そこにもう1球団くらいプラスしても競合は4球団くらいに落ち着くような気がする。過去最大の競合にはなり得ない」 過去のドラフトで最多の1位競合となったのは、1989年の野茂英雄氏(新日鉄堺から近鉄)、1990年の小池秀郎氏(亜細亜大からロッテが指名権獲得も拒否)の8球団。今ドラフトでは、星稜の奥川ら他にも1位候補がいることもあって、まだ未知数の部分が多い佐々木に、6球団以上の指名が殺到することはないのかもしれない。