【映画『あまろっく』江口のりこさんインタビュー】「好きな人を見つけて一緒に暮らしていくって、最高じゃないですか」
脚本を読まずに出演を決めた理由は……
エキセントリックな役から等身大な役まで、独自の空気をまといながら飄々と演じ、その役を“個性豊かなキャラ”に押し上げては、観る人の目を釘付けにする江口のりこさん。ごくたまにバラエティー番組に出演された江口さんを見て、“素顔もユニーク”という印象を抱いている方も多いのではないでしょうか? そんな大きな興味と印象を抱いて、ずっとお会いしたかった江口さんにインタビューいたしました! ●江口 のりこ 1980年生まれ、兵庫県出身。2002年三池崇史監督『桃源郷の人々』で映画デビュー。映画『月とチェリー』(04)で初主演。ドラマ「時効警察」シリーズで、その個性が注目される。近年の代表作に、『愛がなんだ』(19)、『事故物件 恐い間取り』(20)、『波紋』(23)、『BAD LANDS バッド・ランズ』(22)、『アンダーカレント』(23)など。『もしも徳川家康が総理大臣になったら』と『愛に乱暴』が今夏、公開予定。主演ドラマ「ソロ活女子のススメ」も人気シリーズとなり、現在「4」が放映中。 お題は、主演映画『あまろっく』。なんと江口さんは脚本を読む前、かつ監督が誰かと知る前に出演を決めたそう。その理由を、探っていきたいと思います。 色んなお話をしてくれた江口さんは、奇をてらったわけではない普通の発言をされている時でも、やっぱりなぜだか面白い。なんだろう、この飄々とした楽しくなってしまう空気は……。何かまだあると掘りたくなるような掴めなさと、鋭く突っ込まれそうなハラハラ感というか。江口さんの口調と関西弁の掛け合わせのなせる技!? なんと本作は、キャスト&スタッフみな関西出身者が揃ったという、現場の裏側を聞いてみました。
映画『あまろっく』ってこんな映画
いい加減そうな父親を反面教師にガシガシ勉強に励み、優秀な成績で大学に入り、卒業後は東京の大手企業でバリバリ働いてきた優子(江口のりこ)。しかしある日、厳し過ぎる周りへの冷徹な態度が災いし、理不尽なリストラにあって尼崎の実家に戻る羽目に……。39歳、独身の優子は失意のどん底に沈み込み、ニート状態でダラダラと毎日を過ごすように。そんなある日、父親(笑福亭鶴瓶)が再婚すると連れて来たのは、なんと20歳の早希(中条あやみ)だった! 39歳、実家暮らしのニート娘。その不機嫌そうな佇まいからして、江口さんが醸す雰囲気がやっぱり最高でした。ハマリ役だな、と。 「そうですか!? この役に似合っていると言われるのは、まぁ、そう思われるんだろうなとは納得はできますが、自分では特にそんな風に感じません。とにかく私は、(笑福亭)鶴瓶さんと(中条)あやみちゃんと一緒に仕事をできたのが、とにかく楽しかったので、それで大いに満足です。――あ、スミマセン、まとめちゃいました(笑)」 優秀な優子にとって、いきなりのリストラは相当な挫折ですよね。多分、曲がったことが出来ない性格で、自分が正しいと思う我が道を真っ直ぐに進んで来たんでしょうね。 「う~ん、というより誰とも関わることなく、ただ自分が決めたことを黙々とやるって、実は一番簡単なことじゃないですか。煩わしいことに関わらなくて済むわけですから。優子はずっとそうしてきた人ですよね。だから会社では協調性がなく、上司から“君はいらない”と言われちゃったわけですよ。それはショックだろうけれど、当然ですよ!」