尹大統領の逮捕状執行へ、捜査官ら公邸の敷地内に進入…阻止する警護部隊と対峙か
【ソウル=依田和彩】尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の戒厳令宣布を巡り、内乱容疑などで捜査している高位公職者犯罪捜査庁(公捜庁)の捜査官らが3日午前、尹氏の逮捕状を執行するため、ソウル市内の大統領公邸の敷地内に進入した。
韓国・聯合ニュースなどは大統領警護庁の警護部隊が捜査官らの進入を阻止し、対峙(たいじ)していると伝えている。警察によると、逮捕状の執行には公捜庁の捜査官30人のほか、警察120人の計150人が投入された。
尹氏の弁護団は3日、「逮捕状執行は不法だ」とする声明を発表した。大統領公邸周辺には尹氏の支援者らも集まり、騒然としている。
ソウル西部地裁は12月31日、尹氏が内乱を首謀した疑いで逮捕状を発付した。
韓国の憲法では、大統領は在職中、内乱・外患罪以外では訴追されないと定められている。
尹氏の弁護側は公捜庁には内乱罪の捜査権はないと主張し、公捜庁や警察などの合同捜査本部による3回にわたる出頭要請にも応じなかった。憲法裁判所に逮捕状の効力を停止する仮処分を申請している。
韓国では、内乱罪の捜査権は警察にしかない。公捜庁は捜査可能な職権乱用罪を捜査する過程で内乱の容疑が明らかになったとして、捜査は可能だとの立場だ。