27歳芦屋市長・髙島崚輔が明かす「年上を動かす《史上最年少市長》の対話術」〈大事なのは「伝え方のポピュリズム」〉
昨年、史上最年少の26歳で芦屋市長に就任して話題となった髙島崚輔氏が11月15、16日に配信された 「文藝春秋 電子版」のオンライン番組 に出演、世代を越えて政策を実行する「対話術」について語った。 【写真】この記事の写真を見る(2枚)
「タイミング」と「説明し尽くすこと」
灘中高、東大、ハーバード大を経て、当時史上最年少の26歳で芦屋市長に当選した髙島氏。行政経験もなく、市役所でも年少者として立ち振る舞うことの多い彼が、市民と対話するにあたって心がけているのが、その「タイミング」だという。 「市長として意思決定をするのが私の仕事。この意思決定の前と後にちゃんと関係者と対話をすることを心がけています。意思決定の前に対話をして、隠れた課題やニーズを聞き切る。そうすることで『話を聞いてこない』と市民に言われてしまう事態を避けられる。 反対に、意思決定の後に何も対話をしなければ、市民としては『話を理解されなかったのではないか』と感じてしまうので、『なぜここでこうしたのか』を説明するのは大事だと思っています」 では、具体的にどのようなスタイルで、市民と対話をしているのか。 「JRの駅前再開発を『どのように見直すのかについて対話をしよう』と、市長に就任してすぐに市民に意見を募集しました。そうすると、びっしりと書かれた意見が200件ほど集まったんです。 その上で、意思決定をした後に『なぜこうしたのか』を説明する対話型の説明会を開いた。そこでは、質問が出なくなるまで説明をして150分対話し続けました。それだけ時間があれば、このような声を集めた結果、こういうような意思決定をしたというプロセスが全部説明できます。この『説明しきる』ということは納得感を生む上で大事だと思っています」
「伝え方のポピュリズム」は重要
市民と対話を深めるため、髙島氏が意識しているのが「伝え方のポピュリズム」という視点だ。 「ポピュリズムと言ったとき、いわゆる『政策のポピュリズム』と『伝え方のポピュリズム』の二つがあると考えているんです。『ポピュリズム=悪い』というイメージもあると思いますが、『伝え方のポピュリズム』、すなわち、伝え方をきちんとチューニングすることはとても大事なことだと思っています」 この「伝え方のポピュリズム」は、自身の選挙戦でも意識したという。 「私が去年の選挙で当選した後、大体のメディアがTikTokを使ったことを取りあげてくれましたが、やっぱり普段関心を持っていない方々に自分たちの思いを伝えるのは、すごく大事。なぜかというと、普段関心を持っていない人たちも税金払っているんです。やっぱりその方々がどう思っているかを、きちんと反映させるのは大事なことです。 『政治に関心がない』と、よく皆さん言うと思うんですけど、私はちょっと違うなと思っています。本当は『政治に関心を持ちたいけど、持ちようがない』というのが真実なんじゃないかなと。そう考えた時に、きちんと届ける術があれば、その人も関心を持ってくれると思うんです」 髙島氏はほかにも、石破首相の「防災省」への評価、ハーバード大在学中に目撃した「トランプの大統領当選」の衝撃などについて語った。 「文藝春秋 電子版」では、髙島氏のインタビュー「 27歳芦屋市長、年上を動かす『対話術』 」「 最年少市長が悩む『ふるさと納税』の矛盾 」のフル動画を配信している。
「文藝春秋」編集部/文藝春秋 電子版オリジナル