週明けにかけて局地的な大雨・竜巻 台風の勢力が弱まっても大量の水蒸気が流入
台風10号は、今後、紀伊半島を北上し、2日までに熱帯低気圧に変わる見込みです。台風10号の勢力は弱まり、台風でなくなったとしても、大量の水蒸気の流入は続くでしょう。週明けにかけて、近畿から東北を中心に発達した雨雲がかかり、警報級の大雨になる可能性もあります。発達した雨雲や雷雲の周辺では、竜巻など激しい突風が発生するおそれもあります。
台風10号 紀伊半島を北上
台風10号は、今日31日午後3時、潮岬の南東約60キロを時速15キロで、東南東へ進んでいます。中心の気圧は996hPaです。 現在、偏西風はかなり北を流れているため、台風の動きは遅くなっています。台風10号は、明日9月1日はほとんど停滞し、次第に紀伊半島を北上するでしょう。勢力は弱まり、2日までに熱帯低気圧に変わる見込みです。
週明けにかけて局地的な大雨・竜巻 大量の水蒸気の流入が続く
台風10号は、モンスーンの西風を呼び込んでいます。さらに、太平洋高気圧の周辺を吹く偏東風の流れが台風に向かっています。この2方向の風がぶつかり、本州付近に大量の水蒸気が流れ込んでいます。この状況は、この後、しばらく変わりません。 台風の勢力が弱まって、熱帯低気圧に変わっても、大量の水蒸気の流れ込みが続くでしょう。 週明けにかけて、近畿から東北を中心に、発達した雨雲がかかる見込みです。雷を伴った激しい雨や非常に激しい雨が降り、大雨になる所があるでしょう。これまでの記録的な大雨により、地盤が緩んでいる所や増水している河川があり、土砂災害、洪水災害の危険度が高くなっている所があります。特に、東海では明日9月1日午前中にかけて、線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があります。 土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重な警戒を続けてください。 発達した雨雲や雷雲の周辺では、竜巻など激しい突風が発生するおそれがあります。発達した積乱雲が近づく兆しがある場合は、直ちに、建物の中など安全な場所に移動してください。
日本気象協会 本社 白石 圭子