【米ビルボード・アルバム・チャート】タイラー・ザ・クリエイター自身3作目のNo.1、ホールジー初登場2位
タイラー・ザ・クリエイターの新作『クロマコピア』が1位に初登場した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。 『クロマコピア』は、2021年にリリースした前作『コール・ミー・イフ・ユー・ゲット・ロスト』から約3年ぶり、通算7枚目のスタジオ・アルバムで、アルバム・チャート“Billboard 200”では3作目の首位獲得、通算7作目のTOP10入りを果たした。 1stアルバム『ゴブリン』(2011年/最高5位) 2ndアルバム『ウルフ』(2013年/最高3位) 3rdアルバム『チェリー・ボム』(2015年/最高4位) 4thアルバム『フラワー・ボーイ』(2017年/最高2位) 5thアルバム『イゴール』(2019年/最高1位) 6thアルバム『コール・ミー・イフ・ユー・ゲット・ロスト』(2021年/最高1位) 7thアルバム『クロマコピア』(2024年/最高1位) 『クロマコピア』の初動ユニットは299,500で、その内訳はストリーミングが157,000、セールスが142,000、トラックによるユニットは500をそれぞれ記録した。自身の週間ユニット数では過去最高記録を更新し、2024年のチャートにおける初動ユニットとしては、6番目に高い記録を打ち出した。 初週のストリーミングは全14曲で2億1,255万回を記録して、自身の週間最高ストリーミング数を達成。今週のストリーミング・チャートでも1位に初登場した。同時に、週間セールスとしても過去最高記録を達成して、今週のセールス・チャートでもNo.1デビューを飾っている。週間セールス142,000枚のうち、66,000枚がアナログ盤による売上で、LPの週間セールスとしても自己最高記録を更新し、ルミネイトが集計を始めた1991年以降では、ラップ・アルバムのデビュー週として3番目に高い記録を達成した。 『クロマコピア』は10月17日にリリースが告知され、その約10日後の10月28日(月)にリリースされた。今週の集計期間は2024年10月25日から10月31日の7日間で、本作はわずか4日間の集計期間でこれらの記録を達成したことになる(アルバムは通常金曜日にリリースされ、7日間の集計期間がある)。 後述にある2位に初登場したホールジーの『ザ・グレート・インパーソネーター』は初動ユニットが93,000で、『クロマコピア』は集計4日間のストリーミング数(157,000)だけでも2位と差をつけて1位に初登場していたことになる。 『クロマコピア』は、11曲を収録したデジタル・ダウンロード、14曲を収録したCDとアナログ盤、14曲を収録したデジタル・ダウンロードのデラックス盤とストリーミング・アルバムがそれぞれリリースされていて、14曲収録のアルバムは通常版の11曲に3曲が追加されている。14曲を収録したCDとアナログ盤には、「Mother」、「Sticky feat. セクシー・レッド&リル・ウェイン」、「Thought I Was Dead feat. サンティゴールド」の3曲、14曲を収録したデジタル・ダウンロードのデラックス盤とストリーミング・アルバムには、「Balloon feat. ドーチ」、「Sticky feat. グロリラ、セクシー・レッド&リル・ウェイン」、「Thought I Was Dead feat. スクールボーイ・Q&サンティゴールド」の3曲が収録されている。 CDはアーティスト・グッズを封入した6種類のボックスセット、アナログ盤はグリーン・カラーがあり、いずれも公式ウェブサイトでのみ販売された。CDの通常版は一般の予約注文を受け付けているが、現時点では出荷されていないため、今週のフィジカルによるセールスは全て公式サイトでのみの売上となる。一方、11曲を収録したデジタル・ダウンロードと14曲を収録したデジタル・ダウンロードのデラックス盤は、iTunesなどのストアで購入できるが公式サイトでは販売されていない。 前述の通り、今週2位にはホールジーのニュー・アルバム『ザ・グレート・インパーソネーター』がデビューして、通算5作目のTOP2入りを果たしている。 1stアルバム『バッドランズ』(2015年/最高2位) 2ndアルバム『ホープレス・ファウンテン・キングダム』(2017年/最高1位) 3rdアルバム『マニック』(2020年/最高2位) 4thアルバム『イフ・アイ・キャント・ハヴ・ラヴ、アイ・ウォント・パワー』(2021年/最高2位) 5thアルバム『ザ・グレート・インパーソネーター』 (2024年/最高2位) 『ザ・グレート・インパーソネーター』は、初週セールスが81,000、ストリーミングが12,000(1,605万回)をそれぞれ記録して、累計93,000ユニットを獲得。高セールスを記録した本作は、CDとアーティスト・グッズを収録した複数のボックス・セット、サイン入りを含む8種類のアナログ盤が公式ウェブサイトでリリースされている。デジタル・ダウンロードは1~3曲の異なるボーナス・トラックを収録したエディションがあり、初週は割引価格の4.99ドルで販売された。 初週のセールス81,000枚のうち、26,000枚がアナログ盤による売上で、LPの週間セールスとしては自己最高記録を更新した。 新作の登場により、先週2位に浮上したサブリナ・カーペンターの『ショート・アンド・スウィート』(74,000ユニット / 5%減少)は3位にワンランクダウンして、今週4位には米テネシー州出身の女性カントリーシンガー=ケルシー・バレリーニの新作『パターンズ』がデビュー。2017年に最高7位を記録した『アンアポロジェティカリー』に続く2作目のTOP10入りと、自己最高位を更新した。 『パターンズ』の初動ユニットは54,000で、その内訳はセールスが35,000、ストリーミングが19,000だった。週間ユニットとしては過去最高を更新し、週間セールスは2番目に高い売上を記録している。 本作は、サイン入りを含む8種類のアナログ盤、通常版、コメント・トラックを収録した1種、ボーナス・トラックを2曲収録した1種の全3種類によるデジタル・ダウンロード、サイン入りを含む2種類のCDがそれぞれリリースされている。8種類のアナログ盤による売上枚数は12,000枚を記録して、自身最高の週間LPセールスを達成した。 本作からは、ノア・カーンとデュエットした「カウボーイズ・クライ・トゥー」がカントリー・ソング・チャートでTOP20入りしている。 先週4位にランクインしていたロッド・ウェーブの『ラスト・ラップ』(51,000ユニット / 24%減少)は5位にランクダウンして、6位にはエミネムの『ザ・デス・オブ・スリム・シェイディ(クー・ドゥ・グラス)』が先週の44位からジャンプアップして、9月28日付以来のTOP10復帰を果たしている。 『ザ・デス・オブ・スリム・シェイディ(クー・ドゥ・グラス)』は、今週の集計期間に5種類のアナログ盤とカセットテープがリリースされたため、前週から193%増加の49,000にユニット数が増加した。49,000のうち31,000がアナログ盤による売上枚数(セールス)で、LPの週間セールスとしては自己最高記録を更新している。 先週8位にジャンプアップしたグレイシー・エイブラムスの『ザ・シークレット・オブ・アス』 (49,000ユニット / 1%減少)は7位にワンランクアップして、モーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(46,000ユニット / 9%減少)は6位から8位に下降。 ビリー・アイリッシュの『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』(46,000ユニット / 5%減少)は9位をキープして、グロリラの『グロリアス』 (45,000ユニット / 11%減少)は7位から10位にランクダウンした。 Text: 本家 一成 ※関連リンク先の米ビルボード・チャートは11月8日以降掲載予定となります。 ◎【Billboard 200】トップ10 1位『クロマコピア』タイラー・ザ・クリエイター 2位『ザ・グレート・インパーソネーター』ホールジー 3位『ショート・アンド・スウィート』サブリナ・カーペンター 4位『アンアポロジェティカリー』ケルシー・バレリーニ 5位『ラスト・ラップ』ロッド・ウェーブ 6位『ザ・デス・オブ・スリム・シェイディ(クー・ドゥ・グラス)』エミネム 7位『ザ・シークレット・オブ・アス』グレイシー・エイブラムス 8位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン 9位『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』ビリー・アイリッシュ 10位『グロリアス』グロリラ