着物がつなぐ家族の思い出 15坪から始まり上野で77年…惜しまれつつ閉店
そんな小泉さんが大事にしてきたのが… 鈴乃屋に39年勤務 青木功さん(62) 「お客さま第一というのが教えだったので、今もそれは心がけています。その方の生活とか節目に携われるのがうれしいことなので」 “お客さまファースト”。しかし、小泉さんが亡くなった翌年、新型コロナの緊急事態宣言が発表。式典の中止などによる業績悪化などを理由に、上野本店の77年の長い歴史に幕を下ろすこととなったのです。(9月16日閉店) “人生の晴れの舞台”を、支え続けてきたこのお店。
茶道教室を経営(60代) 「私はこちらのビルができるぐらいから、かれこれ30年から40年ぐらいかな、信頼をして通ってきています。その着物を若い人たちに譲り、その子たちが着物のよさをわかり、着物を伝えていったらすてきだな」 この店で教わった着物の魅力を若い世代に。 別のお客さんは… お客さん(60代) 「母の着物がいっぱいあって、母がもう亡くなってしまって。それが3年前。(母への)あこがれがあって。これを着ようとしているんです」
鈴乃屋を信頼して母が残してくれた着物の直しを相談。そこには、こんな理由が。 お客さん(60代) 「今度、私の息子が結婚するので、母の黒い留め袖を着たいと思って。母=着物というイメージが私の中にはあって」 子を思う母の気持ちを受け継ぎ、息子の結婚式に… 着物で家族の絆をつないできました。 3世代で利用(50代) 「母によくしてくださる担当の方がいらっしゃったと思う。母は他界して。娘の成人式はこちらでレンタルでお願いした。3世代ってことですね。かわいかったです、親バカですね」 ◇ 上野本店は閉店となりますが、同じ上野に新たな店をオープン。(今年11月オープン予定) 新しい場所でも変わらず、家族の歴史を見守り続けます。