【解説】石川県の被害状況 94人の死亡を確認 支援への注意点は
日テレNEWS NNN
能登半島地震発生から5日目。5日午後3時時点までにわかっている石川県内の被害の状況などをまとめました。
◇人的被害 今回の地震で亡くなった方は輪島市で55人、珠洲市で23人、穴水町で6人など、石川県内で94人が確認されています。また、けがをした方は464人となっています。 安否がわからない方は輪島市では121人、珠洲市では82人など、あわせて222人にのぼっています。県は情報の提供を求めています。 道路が寸断されたことによる集落の孤立も続いています。5日午後3時時点で孤立している集落は、輪島市で14地区、能登町で5地区など、4つの市と町で22地区となっています。 ◇生活に関する被害 家屋などの倒壊は輪島市、珠洲市、能登町で多数が全壊していますが、被害の全容はわかっていません。 また、大規模火災で約200棟が燃えた観光名所、輪島朝市周辺の被害について国土地理院は衛星写真を公開し、約4万8千平方メートルが焼失したと推定されると発表しました。これは東京ドームより少し広い面積となります。 津波による被害も徐々にわかってきました。東京大学地震研究所は、志賀町にある赤崎漁港の倉庫の壁に残された波の跡から、津波が4.2メートルの高さまできていたとする調査結果を公表しました。また珠洲市では1人が津波に流されて行方不明という情報もあり、海上保安庁が捜索を続けています。
断水は、石川県内の広い範囲で続いています。能登地域をはじめ14の市と町で約6万6000戸以上が断水となっています。輪島市、珠洲市、能登町、穴水町、志賀町、七尾市、中能登町ではほぼ全域で断水となっているということです。 ◇支援の状況 石川県は4日から石川県庁、東京事務所や大阪事務所などで義援金を受け付けています。銀行や郵便局からも振り込みができるということです。振込先などは石川県のHPから確認できます。 災害ボランティアは、現在は加賀市でのみ募集しています。対象は加賀市内在住か市内で勤務している人のみです。石川県内のほかの自治体では募集していないということで、県は現時点で個別に被災地に行くことは控えるよう呼びかけています。 また5日、林官房長官は「被災地への限られたルートに車両が殺到し、深刻な渋滞が発生している」と述べました。石川県は、支援物資は企業団体からまとまった規模の提供を受け付けているため、「現地への直接の搬入は、交通渋滞などにより救命活動などの妨げとなる場合があるため、くれぐれもご遠慮ください」と協力を呼びかけています。