移住者が仕掛ける『観光以上、移住未満』 “よそ者”の視点で離島の魅力を都会に届けるコンシェルジュの挑戦
■中西さんが目指すのは「観光以上、移住未満」
中西さんが目指すのは「観光以上、移住未満」の関わり方だ。 離島限定物産展への参加もその一環。 家島の特産品であるカキや海苔などを使った商品を通じて、少しでも家島に関わる人を増やし、島の暮らしを守ろうと考えている。 中西和也さん:やっぱりこの機会に、家島っていうのが大阪から近いところにあるんだということを皆さんに知ってもらって、もちろん商品を味わってもらって、『美味しいやん』と言ってもらって来るきっかけにしていただきたいなと思っています。 物産店では、家島の海苔を使った商品が特に注目を集めている。 20年以上海苔の生産に携わる漁師の中村さんによると、家島の海苔は水深の深い瀬戸内海で浮き流し式という方法で育てられ、他の地域の海苔と比べて黒々として柔らかいのが特徴だという。
■移住して13年。中西さんの思いに変化
家島で暮らして13年、中西さんの思いにも変化があった。 中西和也さん:移住当初は、家島を僕やったら変えられるとか思ってたんですけど、最近おこがましいなとも思うんですよ。街づくりって正解がないんで、ということは失敗もないんちゃうかなと。唯一の失敗としたら、やめてしまうことかなとは思ってるんで。やめないように、お金が尽きないように。 中西さんの取り組みは、離島の課題解決のための一つのモデルケースとなる可能性を秘めている。 中西和也さん:本当に何がこの島にとって、あるいは日本にとって、僕にとっても何が一番いいのかなっていうのは分からないんですけど、迷いながら前を向いてやってます。 家島の未来は、中西さんのような“よそ者”の視点と、地元住民の思いが融合することで切り開かれていくのかもしれない。 離島限定物産展の取り組みを通じて、家島だけでなく日本の離島全体の可能性が広がることが期待される。
関西テレビ