松戸女児殺害から7年 亡き娘の思いかなえ、父母が開いたベトナム料理店が評判 「良い人生をもう一度」 #ニュースその後
母国には温泉がない。ハオさんは「ベトナム人にも宿泊してもらって温泉の良さを知ってもらい、日本人とも交流できる場を作れれば」と願う。
「普通の生活へ」旅館に託す
ハオさんは事件後、渋谷受刑者の極刑を求めて署名活動などを行ってきた。しかし一、二審判決ともに無期懲役となり、22年5月に刑が確定した。 「裁判で本当にいろんなことがあって、つらかった。一生懸命全てを尽くしたけど、結局死刑にできなかった」と無念を口にするハオさん。「娘の事件から自分の人生が変わった。普通の生活も仕事もできなくなった。生まれ変わりたいと願ったこともいっぱいだった」と吐露する。 長かった裁判が終わり、ハオさんは新たな人生を歩もうとしている。その決意を込め、これから開業する旅館の名前は「rbHotel」に決めた。「rb」は英単語の「rebirth」(リバース)から取った。生まれ変わりや回復、復興を意味する。
「新たな生活をスタートさせ、自分と被災した福島の地域を回復させたい」と新たな旅館に夢を託す。いまだ原発事故の風評被害が残る福島に、「実際は安全な場所がたくさんあることもアピールしたい」とも話す。 リンさんは今春、高校2年になるはずだった。「今ごろどんな人生になっていたか、想像できない」とハオさん。「リンさんのために一生懸命店を続けたい」と誓いながら、「普通の生活に戻りたい。そして良い人生をもう一度送りたい」と静かに語った。 ※この記事は千葉日報とYahoo!ニュースによる共同連携企画です