「石破さんは天敵・麻生さんにも頭を下げる覚悟」 石破氏本人も「プラスになることは何でもやる」【総裁選】
「プラスになることは何でもやります」
石破氏本人にも他陣営への働きかけについて聞いた。 「当然、やっていますが、自分自身は詳しく把握はしていません。ただ、ご支援いただいている方々に“あの人にもう一回電話しなさい”“(相手のもとへ)行って頭を下げなさい”と言われれば“はい、分かりました”と」 “小泉対石破”の決選は究極の選択、と言われるが。 「申し訳ないことですね。それは、私にも足らざるところは沢山あって、そう思われてしまうので。今からでも直せることがあれば、直しましょう、ということじゃないでしょうか。候補者は、批判に口答えしても仕方がないのでね」 麻生氏に支持を求めるかと聞くと、こう答えた。 「プラスになることは何でもやります」
「自民党議員にとって、どちらでもいいんじゃないですか」
対する小泉陣営。こちらは9月6日の記者会見を前にして、ある問題が持ち上がっていた。 小泉陣営の議員が言う。 「国民目線を意識して裏金問題に厳しく言及するのか、それとも党内の融和路線を重視して深く立ち入らないほうがいいか。陣営内でも議論が割れたのです」 “子役”の振り付けに四苦八苦というわけだ。政治アナリストの伊藤惇夫氏が喝破する。 「自民党議員にとって、実際は小泉氏でも石破氏でも、どちらでもいいんじゃないですか。双方とも国民的人気は高いわけですから。首を挿(す)げ替えて支持率が上がった瞬間、すぐ解散に踏み切れば、裏金問題がどうあれ選挙では負けない。少なくとも彼らはそう考えているのでは。無責任体質は変わらないままに……」 総裁選は15日間の長きにわたる。国民にとって、ではない。それ以前に、当の自民党にとってさえ「足らざる人物」を担ぎ出す催事に、われわれは延々と付き合わされるしかないのだ――。 前編【「進次郎氏は“経験不足の天才子役”」「石破氏は“仲間のいない政策通」 総裁候補筆頭二名の戦局の行方は】では、決選投票に残る可能性が高い進次郎氏と石破氏二名の人物評について、専門家の意見を交えて紹介している。 「週刊新潮」2024年9月12日号 掲載
新潮社