東海道新幹線60周年。品川駅の「特大パネル絵」で振り返る、新幹線の忘れられないエピソード
◆出張、帰省、そして観光、「そうだ京都、行こう」
社会に出て仕事をすれば出張で新幹線を利用する人も数多い。仕事を終えて、新幹線に乗り込み、夜の東京タワーを眺めながら缶ビール片手にくつろぐ会社員。一方、結婚して子どもができると、幼子を抱いて実家に戻る女性もいる。お盆の時期や年末年始には、幼子で車内はにぎやかになる。 働きづめだった人生も定年を迎えると、のんびり旅にでる機会が増える。「そうだ京都、行こう」のキャンペーンは、始まって30年を過ぎている。左端のシニアがそのイメージであろう。 筆者もコロナ禍が始まる直前に「フルムーン夫婦グリーンパス」を利用して、京都、由布院、広島とグリーン車利用で優雅な旅をした。その「フルムーン夫婦グリーンパス」もなくなってしまい、過去の思い出となって久しい。
◆酒のツマミ、駅弁、そして食堂車があった時代
新幹線の車内では、さまざまな飲食の思い出もある。ビールのお供としてはスナック菓子のチップスターが人気だ。とりわけ、東海道新幹線限定商品があり、最近では伊勢エビ味を購入したことが記憶に新しい。筆者は胃腸が弱いので避けているけれど、シンカンセンスゴイカタイアイスの人気は驚異的だ。 関東の名物としては横浜の崎陽軒「シウマイ弁当」、関西の551蓬莱の「豚まん」が有名だ。しかし、新大阪駅で購入して車内に持ち込むと豚まんのニオイが気になると物議を醸したことがあった。裏を返せば、それだけの人気だということなのだが……。あと、浜松出身の作者らしく、うなぎパイの姿もちらりと見えるのがほほ笑ましい。 また、忘れてはならないのが、カレーライスのイラストだ。ナプキンとスプーンが添えられていることから分かるように、これはお弁当ではない。かつて、新幹線に連結されていた食堂車の人気メニューの1つ、「ビーフカレー」のことだ。食堂車がなくなって久しいけれど、人気だったので「復刻 新幹線 懐かしのビーフカレー」として商品化されている。 懐かしいといえば、左端に添えられている硬券切符。今となっては信じられない話ではあるが、開業当初の新幹線の切符には硬券が用いられていた。鋏(はさみ)を入れた跡があり、乗車区間が東京~米原となっているところに作者のこだわりがある。