FXについて その3 FXの税制はどうなっているの?
FXの取引で得た利益、すなわち為替差益やスワップポイントには所得税・住民税がかかります。 株式の売買で得た利益は「譲渡所得」となるのに対して、FXの為替差益やスワップポイントは「雑所得」のうちの「先物取引に係る雑所得等」と分類されています。 暗号資産(仮想通貨)に関する利益も雑所得に分類されますが、こちらは総合課税であるのに対し、FXの場合は申告分離課税で、株式の譲渡や暗号資産の売買とも違った税制が適用されることになります。
FX取引に関する税制
FX取引による利益は、先物取引に係る雑所得等となり、雑所得のなかで特例的に「申告分離課税」となります。申告分離課税とは、給与所得など他の所得と区別して課税される方式をいい、20.315%(所得税15%、地方税5%、復興特別所得税0.315%)の税金がかかります。 申告分離課税であること、および税率に関しては株式の譲渡益と同様で、FX取引に関する利益は確定申告が必要です。
FX税制に関する特徴と注意点
FX取引で適用される税制の特徴として、以下が挙げられます。 ◆必要経費の計上が認められる 雑所得では必要経費が認められるため、FX取引で得た利益にも必要経費の計上が認められることがあります。 例えば、FX取引で利益を得るための勉強代(書籍の購入代、セミナーの受講料)や、取引に使用しているパソコンなどの費用が必要経費に含まれる可能性があるので、詳細について所轄の税務署に問い合わせて確認することをお勧めします。 また、必要経費となりそうな費用に関する領収証は保存しておきましょう。FX取引による所得は、次のように求められます。 ・当該年(1月1日から12月31日)におけるFX取引の利益(為替差益+スワップポイントによる利益)-必要経費 ◆当該年に課税対象となる取引 未決済建玉については、1月1日から12月31日までに決済して、受け渡しが完了したものが課税対象となります。受け渡しが完了していない未決済建玉の評価益・スワップポイントは、翌年以降、決済した年に課税対象となります。 ◆損益通算 損益通算とは、同一年分の利益と損失を相殺することです。対象となる所得の範囲が限定されるなど、実際の利用は複雑です。損益通算が可能な場合、あるFX会社における取引での損失を、他のFX会社での利益から差し引くことができます。損益通算を行うには確定申告が必要です。 損益通算が行える範囲は、差金決済による差損が生じた場合で、かつ、それが一定の先物オプション取引による所得の金額など、他の「先物取引に係る雑所得等」に属するケースに限られ、それ以外の所得との通算はできません。 したがって、株式等の譲渡損益や仮想通貨の取引のほか、海外FX業者の口座での損益との損益通算はできません。 ◆損失の繰越控除 損失の繰越控除が可能で、翌年以降3年間にわたり繰り越して損益通算することができます。繰越控除を行うには、毎年の確定申告が必要です。繰越控除は最も古い年分から順次差し引く形で行います。