金融審議会、金融経済教育推進機構が新たに配置する認定アドバイザーに金融機関の従業員は資格がないのか?
金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」「顧客本位タスクフォース」合同会合が1月26日に開催され、「国民の安定的な資産形成の支援に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針(案)」が示されるとともに、今年春の設立が検討されている「金融経済教育推進機構」と機構が認定する「認定アドバイザー」などについての案が出され、参加した委員からの意見を聞いた。特に、「認定アドバイザー」については、中立性を担保する観点から金融機関の従業員、また、金融商品の販売などから報酬を得ているIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)などは対象外とされたことについて、「民間金融機関との連携なくして金融教育のすそ野拡大は難しいのではないか」という意見が出ていた。
「国民の安定的な資産形成の支援に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針(案)」は、「『成長と分配の好循環』を実現し、我が国経済の持続的な成長と国民の安定的な資産形成を実現するためには、インベストメント・チェーンに参加する全ての主体が、十分にその機能を発揮することが重要である。すなわち、家計の安定的な資産形成を実現するためには、持続的な企業価値向上に向けた取組だけでなく、NISAや私的年金等の制度の普及、金融・資本市場に関係する事業者等の監督、学校教育や職域・地域における教育等を通じた金融リテラシーの向上など、利用者の利便向上とその保護を図るための様々な施策を、国全体として総合的に進めていく必要がある」との考えに基づいて、具体的な推進策の方針を示すもの。
具体的な成果としてわかりやすいのは、今年始まった新しいNISAの利用者数の拡大がある。資産所得倍増プランでは「5年間でNISA総合口座を現在の1700万件から3400万件へと倍増させる」、「5年間でNISA買い付け額を現在の28兆円から56兆円と倍増させる」としている目標値を踏襲している。また、新たに、「令和10年度末を目途に『金融経済教育を受けたと認識している人の割合』が(現在は7%程度のところ)米国並みの20%となることを目指す」という目標も掲げている。