日本は半世紀ぶりの世界一に届かず 3時間30分の死闘で中国を追い詰めるも5大会連続の銀メダル
◇卓球・世界選手権女子団体決勝 日本2-3中国(24日、韓国・釜山) 世界選手権の女子団体戦の決勝が24日行われ、日本は中国に2-3で敗れ、53年ぶりの世界一とはなりませんでした。 【画像】“無敵”の15歳・張本美和 大逆転した準決勝の試合前にはYOASOBIの「アイドル」を口ずさむ 今大会はシングルス5試合で3勝したチームが勝利。日本は張本美和選手、早田ひな選手、平野美宇選手の布陣で挑みました。 第1試合はチーム最年少15歳、世界ランク16位の張本選手が、世界1位の孫穎莎選手と対決。直近では、去年12月の国際大会でフルゲームの末に敗れていました。第1ゲームは中盤以降4連続ポイントを奪われるなど、流れをつかめず先取されます。それでも続くゲームは相手を左右に揺さぶるなど、きっ抗した展開。しかし、8-8から3連続でポイントを失い、窮地に立たされます。迎えた第3ゲームも波に乗れず、世界1位にストレート負けとなりました。 第2試合は世界ランク5位、エース早田選手が、世界3位の陳夢選手と激突。12月の国際大会では、あと一歩及ばず、フルゲームで敗れた相手です。第1ゲームを落とした早田選手は、続くゲームでは5-5から、相手の強打をフォアハンドで打ち返し得点。ここから流れをつかみ、11-8で奪い返します。 第3ゲームは序盤に5連続ポイント挙げるなど優位に進めますが、徐々に詰められ10-9でたまらずタイムアウト。2000年生まれの同学年、伊藤美誠選手から「ひなの方が思い切ってできている。思い切って!」と背中を押された早田選手は、タイムアウト明けのポイントを取り、2ゲームを連取します。 取れば勝利となる第4ゲームは、序盤に3点のリードを許しますが、早田選手が中盤に怒とうの6連続ポイント。ロングラリーを制した際には拳を突き上げ、笑顔をみせます。勝負は13-12で早田選手がマッチポイントを握ると、最後はネットインで早田選手に軍配。8度目の対戦で初勝利をこの大舞台で成し遂げ、勝負をタイに戻しました。 同学年の早田選手から勝利のバトンを受けた平野選手は、世界2位の王芸迪選手と対戦。互いに速いラリーで打ち合う展開が続く中で、終盤には強烈な回転をかけた平野選手のレシーブに王芸迪選手が空振り。11-8で先取します。 続くゲームでは、平野選手の強烈な回転をかけたサーブで王芸迪選手が再び空振りするなど、7-6とリード。流れを変えたい中国ベンチはタイムアウトを取ります。その後、8-10とゲームポイントを握られますが、ラリーで打ち負けず連続ポイントで同点。粘りのプレーで2ゲームを連取します。一気にたたみかけたい平野選手は、第3ゲーム3-7とリードを許しますが、ここも4連続ポイントで追い上げ同点。勢いそのまま世界2位をストレートで破りました。 2勝を挙げ世界一へ王手をかけた日本。4番手として早田選手が登場し、孫穎莎選手とのエース対決。最初のポイントは、相手の強烈なフォアハンドを、バックハンドではね返すなど連続ポイントの幸先良い出だし。しかしここから11連続ポイントを失い、最初のゲームを奪われます。中国の大歓声が飛ぶ中、第2ゲームも中盤に5連続ポイントを許すなど、流れに乗れず。ストレート負けで、2勝2敗で勝負は第5試合目へもつれ込みます。 日本の運命を託された15歳の張本選手は、陳夢選手と激突。初対戦となる中国の五輪団体金メダリストを相手に強烈なフォアハンドを浴びせるなど、6連続ポイントを奪取。ラリーで打ち負けず、第1ゲームを先取します。続くゲームを落とした張本選手は、サーブで相手を翻弄し8-6とリード。しかし、あと一本が遠く終盤に痛恨の4連続ポイントを失い、窮地に立たされます。落とせば日本の負けが決まる第4ゲームも互角の戦いで粘りを見せましたが、及ばず。3時間30分を超える死闘に敗れ、日本は1971年以来の世界一に届かず、5大会連続銀メダル。中国が大会6連覇を飾りました。 ▽女子団体 決勝 日本2-3中国 〈第1試合〉 張本美和0-3孫穎莎 5-11/8-11/4-11 〈第2試合〉 早田ひな3-1陳夢 6-11/11-8/11-9/14-12 〈第3試合〉 平野美宇-王芸迪 11-8/13-11/12-10 〈第4試合〉 早田ひな0-3孫穎莎 2-11/7-11/6-11 〈第5試合〉 張本美和1-3陳夢 11-4/7-11/8-11/7-11