距離計測器の使用はプレー時間の短縮につながる!? プロツアーのスロープレー対策を考えた
距離計測器の使用はプロツアーでは失格になるケースもあるが、スロープレー解消の側面もあるという。 パーオン率NO.1の女子プロのアイアンショット【連続写真】
先のKBCオーガスタで木下裕太が距離計測器を使用して失格になった。 しかし同時期、CBSのコメンテーターでもあるイアン・ベーカーフィンチは「距離計測器の使用がスロープレー解消になる」とYouTube番組「サブパー」で主張した。 ベーカーフィンチによれば、実際に先の全米アマでは計測器が使用され、良いペースでプレーしていたという。 「コースのタイムパー(18ホールの想定所要時間)が4時間23分のコースで5時間半かかるとしたら、それはゴルフというゲームをダメにする」と言い、「過去10年を見てもキャディとの会話の時間が長くなっているように感じる。1分以上キャディと話しているように見える場面も多いが、キャディと会話する時間が距離計測器を使うことで最小限に抑えられればプレー時間が大きく短縮できるのではないだろうか」と私見を述べた。 ちなみにPGAツアーの1ストロークの平均時間はパッティングを入れてもおおむね45秒といわれ、仮に1ラウンド72打とすると、それだけで54分の時間がかかる。これが3サムの場合、単純計算で2時間42分。たとえば7000ヤード(約6.3㎞)を1時間4キロのペースで歩くのに約1時間35分かかることから、ホール間のインターバルを歩く時間を入れれば、これだけで4時間半近くかかるのだ。 かつてブライソン・デシャンボーは「スロープレーを解消するには早歩き」と語ったが、全員が同じペースで歩くとは限らない。ツアー平均45秒(ゴルフルールでは40秒以内を推奨)というのは、もちろんキャディとの会話時間を含めてのもの。これに1分以上時間をかけるとなると、1ラウンド5時間以内で回るのはほとんど不可能だ。 確かに距離計測器の使用はスロープレー対策には有効なのかもしれない。コース設計の妙は計測器の使用で味気なくなりかねないが… …。 ※週刊ゴルフダイジェスト2024年9月10日号「バック9」より
週刊ゴルフダイジェスト