「極悪女王」衝撃の裏側 敗者髪切りデスマッチは本番一発撮り!
長い間、劇中と同じく敵として会話をせず目を合わせなかった二人。しかし大一番、物語の重要な役割を果たす試合の撮影の前に一旦その関係性をリセットしたことで、スムーズに撮影を進めることができたという。
意思疎通が出来るようになってから臨んだ「髪切りデスマッチ」の撮影。俳優の息はピッタリ合ったものの、監督たちには準備しなければならないことが山積みで、とにかくハードだ。白石監督は「正直あまり記憶がないぐらい」と笑うと「とにかくダンプ側も長与側もチェックすることが多すぎて、とても一人ではできない。4話、5話は茂木克仁監督をメインでやってもらったのですが、2人いて良かった。1話から5話まで通して二人で確認し合いながら作りました。もうずっと必死でした」と壮絶な撮影を思い返す。
何度もできる撮影ではなく、テスト段階ではプロのレスラーたちがしっかり段取りを行う。それでも本番は俳優が行うため、やってみなくては分からない部分も多い。唐田は「やっぱり流れが大切だったので、白石監督もあまり細かく演出するわけでもなかったんです。本当に4カメで一発撮りしたときの緊張感はすごかった」と振り返ると、ゆりやんは「何よりも一番震えたのはダンプが長与の髪を切るシーンでした」と苦笑い。
髪切りシーンでは唐田えりかが実際に丸刈り
続けてゆりやんは「実際にえりかの髪の毛を切るわけで、失敗は許されない。しかもダンプ松本になりきっているので、(唐田演じる)千種へのさまざまな思いがぐちゃぐちゃに湧き上がってきて震えるんです。当時、きっとダンプさんもすごいプレッシャーでやってはったんだろうな……と思いました」と語るゆりやんの目には涙が浮かんでいた。 白石監督も髪を切るシーンには「心配事しかなかった」といい、「当時の映像を観ると、一発でバリカンで切っているんですよ。でもテストもできないし、誰かを試しにするなんてことも無理。しかも実際にやったとき、案の定、当時の映像のようにはスムーズにいかなくて……。ゆりやんは何度も何度も髪にバリカンを当てているんです。カットをかけるべきかすごく迷ったことを覚えています」と語っていた。