「大人になれない子供をなくしたいです」山崎賢人“湊”のピュアな目の輝きに心打たれる感動作<グッド・ドクター>
2024年も「ゴールデンカムイ」(1月公開)、「陰陽師0」(4月公開)、「キングダム 大将軍の帰還」(7月公開)と主演映画が立て続けに公開されるなど、トップ俳優のひとりに成長した山崎賢人。そんな彼が6年前に主演を務めたドラマ「グッド・ドクター」(2018年、フジテレビ系)が今月、FOD・TVerで開催中の「#ドラ活 浸れ、超自分的ドラマ生活。」にピックアップされ、ふたたび注目を集めている。 【写真】漫画「アンダーニンジャ」の実写化作品で主演に抜擢された山崎賢人 山崎が演じたのは、自閉症スペクトラム障がいでサヴァン症候群の青年・新堂湊。現在無料公開中の第1話から、湊が医師をめざした理由をまっすぐ語る姿が印象的なラストシーンを振り返る。(以下、ネタバレがあります) ■小児外科で働き始めた湊だが… 「グッド・ドクター」は、東郷記念病院小児外科のレジデントとして採用された湊が、周囲の偏見や困難を乗り越え、医師として成長していく姿を描く。第1話では湊が同病院で働き始めるまでが、そして同じく無料公開中の第2話では、腸のほとんどが壊死状態で生まれた低体重児と、その子を産んだ女子高生・唯菜(山田杏奈)のエピソードが描かれている。 湊が自閉症スペクトラム障がいだと知り、ざわめく小児外科医たち。実際、湊は入院患者本人の前で病状をこと細かにしゃべり始めてしまったり、小児患者の保護者の前で「今すぐオペしないと死んでしまいます」と口走ったりとコミュニケーション面で問題が多く、トラブルを引き起こしてばかり。 だがその一方で、湊は驚異的な記憶力を持つサヴァン症候群でもあった。様々な治療法に加え、患者の顔と名前、病状といったデータが完璧に頭に入っている湊。第1話ではさっそく彼の知識が役立ち、小児患者の命を救うことに成功した。 ■「お兄ちゃんは大人になれませんでした」 知識量のすごさには一目置き始めた医局員たちだが、相変わらずコミュニケーションに難しさを抱える湊への態度は冷たい。そんな1話のラストでは、湊がなぜ医師を目指しているのかが語られた。 湊の教育係である小児科医・夏美(上野樹里)に誘われ、夕食をとりに行った湊。初めて入った立ち飲み居酒屋で「立って食べるスタイルは独り身で寂しい女性も入りやすいとテレビで言っていました」と、思ったことを口に出してしまう湊に、夏美は苦笑い。そして「ねえ、どうして医者になろうと思ったの?」と尋ねた。 湊の答えは「お兄ちゃんです。お兄ちゃんは大人になれませんでした。大人になれない子どもをなくしたいです」というもの。 そう語る湊の目はきらきらと澄んでいて、表情はやわらかく、微笑んでいるように見える。それだけに、ピュアで穏やかな表情と「お兄ちゃんは大人になれませんでした」というショッキングな一言のギャップが印象的だ。新堂湊というキャラクターの人となりに興味をかきたてられる――第1話はそんな立ち上がりとなった。 地上波放送時には初回、2話と続けて平均視聴率2ケタを記録し、SNSでも「涙腺が崩壊しました」「多くの人に見てほしいドラマ」との声が上がるなど高評価を得た同作。3話以降は、湊と“お兄ちゃん”とのエピソードも少しずつ明かされていく。 FOD・TVerでは人気ドラマを順次、無料公開中。現在は「グッド・ドクター」のほか「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」(2020年)や「ようこそ、わが家へ」(2015年)、「振り返れば奴がいる」(1993年)などがラインナップされている。 ※山崎賢人の「崎」は正しくは「立さき」