【毎日書評】この人なら!とついていきたくなる「説得力」の高め方
「説得力」が高まる2つのポイント
著者いわく、「声」と「話し方」だけで説得力を持たせるために重要なのは「声の芯」と「話し方の文末」。説得力は、このふたつで決まると断言しているのです。 「声の芯」の肝となるのは、「腹式発声ができているかどうか」。加えて、場面や話の内容に応じた「声のトーン」を使い分けられること。 ちなみに説得力を感じさせる声は、高いトーンよりも低いトーンのほうがいいようです。ただし、それは声質の高低のことを指すわけではないといいます。 人それぞれの声の特性に、「高め」「低め」はあるものです。つまりはその人の持っている音域のなかで、「低い部分」の音をしっかり活用することが大事だということです。重要なのは、話の内容に沿って、適度に低い音が出てくること。 たとえ声のトーンが低かったとしても、“ただ全体的に低いだけ”では説得力が生まれなくても当然。その、自分ならではの低いトーンのなかに、高い音と低い音という両方の要素があってこそ、そこに説得力が生まれるということです。(188ページより)
「説得力」は文末で決まる
「芯のある声」と「声のトーン」に加えて重要なのは「文末」の話し方であり、そのポイントは2つあるのだそうです。 ①文末まで声を出す、②文末を下げる の2つ。このポイントを押さえるだけで一気に信頼感は増し、説得力が高まるのだそうです。 ① 声の芯 ② 話し方の文末 (189ページより) まず①ですが、これは「声を出せば自信があるように聞こえる」ということ。 文末以外はちょっと下を向いていたとしても、モジモジしていたとしても、最後だけ顔を上げ、声を出して話すことを心がける。そうすれば、相手のなかに信頼感が生まれ、説得力も高まるということです。 次に②。 「説得力」を出すためには、文章の終わりをしっかり低い音【ド】までしっかり下げることが重要だ。(中略) 例えば、ハイブランドの店員や、高級ホテルのフロントマンが「いらっしゃいませ」と迎えるとき、「ませ」をあげたり伸ばしたりするだろうか。 必ず「ませ」を低い音に着地させている。だからこそ、信頼感や高級感が出てくる。(217ページより) 「おはようございます」など、元気よく相手にいうべきときは、文末が高くなってもかまわないでしょう。ただし、なんらかの説得力を必要とする場面では、意識して文末は低い音にするべきだということです。(188ページより) 「声」と「話し方」を自分の武器にすることができれば、自分への信頼が“秒”で構築されることになるだろうと著者は述べています。他者からの信頼を勝ち取るためにも、そんな本書をぜひとも参考にしたいところです。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: 日本実業出版社
印南敦史