"他人の評価"を気にするとムダな時間と労力がかかる…「すぐ行動できる人」に生まれ変わるたった1つの方法
■目標を「立てること」で満足してはならない シカゴ大学のアイレット・フィッシュバックは、スポーツジムに通っている103名を対象に、トレーニングを始める前に、半分の人には、「あなたの目標は?」といった質問をたくさんしてみました。目標に意識を向けさせるためです。 残りの半数には、そのトレーニングを「いつから始めましたか?」という質問をしました。 それから、すべての人に「今日はどれくらいトレーニングするつもりですか?」と見込みの時間も聞いてみました。 そして、彼らがトレーニングを終えて帰ろうとしているところでもう一度声をかけ、「今日はどれくらいトレーニングをしましたか?」と実際のトレーニング時間を聞いてみました。 その結果、目標について聞かなかったグループでは、予定が38.25分、実際は43.09分と、予定より長くトレーニングを行なっていました。 しかし、トレーニングをする前に自分の目標について考えさせたグループでは、予定では46.59分、実際には33.93分と、実際のトレーニング時間が減ってしまっています。 目標を立てるのは基本的にはいいことです。目標を立てるとやる気が出ますから。 けれども、目標を立てることだけで満足してしまい、行動できなくなることもあるということは覚えておいたほうがいいでしょう。 行動しなくなるくらいなら、少々見切り発車でスタートしてしまったほうが、かえって良い効果を生むこともあります。 ---------- 内藤 誼人(ないとう・よしひと) 心理学者 慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。立正大学客員教授。有限会社アンギルド代表。社会心理学の知見をベースに、心理学の応用に力を注ぎ、ビジネスを中心とした実践的なアドバイスに定評がある。『心理学BEST100』(総合法令出版)、『人も自分も操れる!暗示大全』(すばる舎)、『気にしない習慣』(明日香出版社)、『人に好かれる最強の心理学』(青春出版社)など、著書多数。 ----------
心理学者 内藤 誼人 イラストレーション=神林美生