【独自解説】「間接的な買収でみっともない」トランプ氏支持者の“お金バラマキ作戦”に批判殺到!大接戦のアメリカ大統領選、支持率の“からくり”とハリス氏に立ちはだかる壁
■ハリス氏は「インパクトが弱い」 トランプ氏の巧妙な“戦略”に対抗できるか
アメリカで女性初の副大統領となったカマラ・ハリス氏は米・カリフォルニア州オークランド出身で、父親はジャマイカ出身・母親はインド出身です。2011年に黒人女性初のカリフォルニア州司法長官となり、2017年には南アジア系ルーツ女性初の上院議員となりました。 Q.ハリス氏は本来“黒人票”“ヒスパニック票”を固めるはずだったのに「固まっていない」といわれていますが、なぜですか? (海野教授) 「黒人男性には黒人女性に対する差別・蔑視があるので、ハリスさんはジェンダーの壁にぶち当たっています。トランプさんはそれ知っていて、『私は黒人男性が好きだ』と。また、ヒスパニック系の中には合法的に市民になったりアメリカで生まれたりした人もいますが、『不法移民が黒人・ヒスパニック系の職を奪っている、利益を侵害している』と敵対心を植えつけて、対立を煽っているんです。そこに黒人まで巻き込んで議論しているところが、トランプさんは非常に巧妙で、それが当たっていると思います」 Q.トランプ氏と比べて、ハリス氏はどうですか? (海野教授) 「ハリスさんは、経済に関して具体的なことを述べていますが、“看板になるような経済政策”に欠けている面があるので、『インパクトが弱い』と見ることはできます。ただ、後半になってハリス陣営は、トランプさんがヒットラーを称賛していたという発言を出してきました。2016年にヒラリーさんもトランプさんの性格を攻撃しましたが、あの時は“メール問題”があって上手くいきませんでした。今回は、2016年から8年経って、有権者もトランプさんのことを知ったので、そこでハリスさんが逆転できるかどうかです」
■「やっていることが汚い」カネで解決?あの大富豪の“支援策”に批判殺到
そんな中、トランプ氏支持を表明している“大富豪”イーロン・マスク氏が、「お金をばらまいている」として物議を醸しています。『ロイター』によると、マスク氏はトランプ氏を支援する団体『AMERICA PAC』を設立し、約114億円(7500万ドル)を献金しました。 また、激戦州を対象に、「言論の自由と銃所持の権利」を支持する署名活動を開始。署名者一人を紹介するごとに、紹介者に対し約7000円(47ドル)を支払っているということです。 さらに、米『CNN』 によると、2024年10月19日からは「署名者から毎日一人に約1億5000万円(100万ドル)を支給する」と発表し、「票を金で買っている」と批判が殺到しています。 Q.微妙なのが、“トランプ大統領を支持してくれたら”とは、言っていないんですよね? (海野教授) 「はい。イーロン・マスクさんが活動しているのは激戦州のペンシルベニア州で、トランプさんは『イーロンはよくやってくれている』と言っています。しかし、これは中間所得層や無党派層の票を減らす危険性があります。今回の大統領選挙は、“マージンのゲーム”といわれています。特にペンシルベニア州では、マージンのゲームは『ほんの僅かの票でも上乗せしたほうが勝つ』という“戦い”なので、このマスクさんの行動は、中間所得層の支持を減らす可能性があると思います」
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