DeNA・森敬斗＝東京ドーム

DeNAを最終決戦で7年ぶり2度目のCS下克上による日本シリーズ進出に導いたのは、入団5年目の秋についに覚醒した〝ハマのイケメン〟、森敬斗内野手（22）の走攻守にわたる大車輪の活躍だった。 【写真8枚】私服姿のＤｅＮＡ・森敬斗。端正な顔立ちにストリート系ファッションがよく似合う 「8番・遊撃」で先発出場の森敬は初回に悪送球で先制点を献上も、5回に自らのバットで取り返す同点三塁打。その裏には安打性の打球に飛びつく好捕を披露した。同点の9回先頭で右前打で出塁すると、1死二塁から遊ゴロの間に三塁を陥れる好走塁。牧の決勝打でホームを踏んだ。高い身体能力と野球センスを存分に見せつけ、「ここまで来たら日本一になるだけ。勝ち切りたい」と甘いマスクを緩めた。 神奈川・桐蔭学園高から2019年ドラフト1位で入団。スター候補として球団、ファンの期待は大きかったが、なかなか1軍に定着できず、チーム内では「このままつぶれてしまうかも…。あんなにイケメンでなければ、とっくにレギュラーになれた。年上の選手に夜の街に連れ回され、遊びを覚えてしまった」などと嘆き節も聞かれた。 今季は派手な髪色を黒に染め直すなど危機感と自覚を示し、優勝を争った終盤から1軍で先発機会が急増。2軍時代から見てきた田中浩康内野守備兼三塁ベースコーチ（42）も「以前は練習から自分のプレーに苛立ったり、落ち込んだりがかなり激しかったけど、少し整い始めた」と精神的な成長の跡を認める。 CSでも阪神とのファーストステージ第2戦で自身初の猛打賞を記録。地上波で中継されたファイナルステージでも大いに顔を売った。全試合が開始から終了まで地上波で全国に届く日本シリーズでもこの勢いが続けば、女性視聴者のハートを射貫いて一気にスターダムまで上り詰めるかもしれない。（山戸英州）