JA紀州、管内の選果一元化 日高川町にかんきつ統合施設を完成
JA紀州(本所・和歌山県御坊市)は、日高川町入野で整備を進めていた「JA紀州柑橘(かんきつ)統合選果施設」を完成させた。川辺果樹選果場そばに建物を増設し、管内全てのかんきつ類の出荷を集約する。9月上旬から使用を始める。 【暖冬に強い南高梅を 研究協議会が優良樹選抜、和歌山の記事はこちら】 同JA管内のかんきつ類は、ゆら早生、宮川早生、ハッサク類、不知火、ポンカンなど。御坊市、日高川町、印南町、みなべ町、田辺市龍神村から搬入される川辺果樹選果場と、由良町、日高町、美浜町から搬入されるゆら柑橘選果場の2拠点だった。 選果施設を統合することによって出荷を一元化して効率化するとともに、産地として品質がそろっているかんきつ類を供給させるのが狙い。今後はゆら柑橘選果場は集荷のみ行う。 既存施設の南東側に鉄骨2階建て(延べ床面積2052平方メートル)を建てた。1階は積み込み場と荷下ろし場になる。2階は出荷物の貯留施設と、生産者らの勉強会などに使う生産企画室を設けた。 選果作業を行う既存施設には、新しい選果機も導入、果実の腐敗を判別する精度を高める。箱のバーコードにより選果施設に持ち込まれ選果した履歴が分かるようにしたり、トラックへの積み込み作業を省力化したりできる機器も取り入れた。 JA紀州柑橘統合選果施設は温州ミカンの極早生の出荷が始まる9月上旬から使用する。JA紀州の担当者は「既存の二つの選果場は機器も古くなり修繕のコストもかかっていた。統合で品質の安定したかんきつ類を供給することで産地ブランドを維持し、生産者の所得向上につなげていきたい」と話している。
紀伊民報