ヤクルト 山田に見えてきたトリプルスリーと夢の「4冠王」
混セの首位に居座っているヤクルトを引っ張っているのが、山田哲人(23)のバットだ。 この中日3連戦では、3試合連続アーチを含む7安打7打点と大暴れ。本塁打「23」はセ・リーグのトップ。しかも、盗塁まで仕掛けられるスピードを兼ね備えているのが山田の特徴で、盗塁「17」は、横浜DeNAの梶谷隆幸の「18」に続いての2位につけている。 それだけではない。打点も「60」でチームメイトの畠山和洋を6点差で追う3位につけ、打率も同じくヤクルトの川端慎吾の.336に迫る.328で3位。これまで過去に誰も成し遂げられなかった史上初の本塁打&盗塁王のダブルタイトルどころか、4冠王までが視野に入ってきたのである。 その可能性について阪神DCで評論家の掛布雅之氏は、「十分にある」と見ている。 「タイトルは他の選手との兼ね合いだけど、そういう意味で恵まれている。本塁打に関しては外国人のライバルがいない。怖いのは筒香だろうけど、彼も怪我でブランクをつくり、現在の8本差は大きい。このままのペースで40本をクリアすれば取れるだろう。盗塁についても同じだ。争っているのは梶谷、上本で、かつての赤星のようなレギュラーでの盗塁のスペシャリストが、セ・リーグに見当たらない。できれば40本、40盗塁を実現して欲しいが、35本、35盗塁でも、ダブルタイトルを奪うことになるのではないか。今後、マークが厳しくなってくるだろうが、チームの成績と、前後を打つ川端、畠山の出来次第では波状効果が生まれ、本塁打、打率、打点、盗塁の4冠王の可能性も出てくるんじゃないだろうか」 過去に本塁打王と盗塁王を獲得した選手は2人しかない。松竹の金山次郎氏と、西武時代の秋山幸二氏の2人だけだ。秋山氏は、1987年に43本塁打で本塁打王は獲得したが、盗塁部門は38盗塁、ロッテの西村徳文と、近鉄の大石大二郎が41盗塁をマークしたため、わずかに3つ及ばす。1990年には51盗塁で盗塁タイトルを獲得したが、本塁打は35本に終わり、同じく西武のデストラーデの42本に7本届かなかった。