【解説】有罪か無罪か トランプ氏裁判の行方 大統領選への影響は?
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大統領経験者で史上初めて刑事裁判の被告となった、アメリカのトランプ前大統領の裁判の最終弁論が終わりました。 トランプ氏は有罪となるのか無罪となるのか。そして大統領選挙への影響は。NY支局の末岡支局長の解説。
■大統領経験者として史上初… トランプ氏が抱える4つの刑事裁判
現在トランプ氏は、4つの刑事裁判を抱えています。 ・不倫口止め料の支払い・機密文書持ちだし・大統領選の結果を覆そうと手続きを妨害・ジョージア州 選挙介入 現在審理が進んでいるのが、1つめの不倫口止め料を不正に処理したとされる事件です。
2016年の大統領選挙に絡んで、スキャンダルが出るのを恐れたトランプ氏側が、 ・当時関係にあったとされるポルノ女優へ口止め料13万ドル ・トランプ氏と性的関係を持ったとする女性に15万ドル ・トランプ氏に隠し子がいる という情報を持っているトランプタワーの元ドアマンへ3万ドルなどを支払い、それを不正に処理したとしてあわせて34の罪に問われています。 先月から始まった裁判では、不倫相手とされるポルノ女優ストーミー・ダニエルズさんや、トランプ氏の元顧問弁護士が証人として出廷し、アメリカメディアは連日裁判の進行を大きく取り上げています。
口止め料の支払いの際、業務記録を改ざんしたことにトランプ氏の関与があったかどうかが大きなポイントとなります。 検察側の証人として出廷したポルノ女優は、トランプ氏と性的関係があったと詳細を証言しました。 また元顧問弁護士は、口止め料の支払いはトランプ氏の指示で行われたと証言。 検察側は、秘密裏に口止め料を支払うためトランプ氏は巧妙な計画を考案し業務記録を改ざんしたと主張しました。 一方、弁護側は、口止め料の支払いは、当時の顧問弁護士が独断で行い、トランプ氏は知らなかった。コーエン氏はうそつきだとして無罪を主張しています。
■有罪・無罪を判断する陪審員とは?
Q 有罪・無罪の判断はどのように決まるのでしょうか。 アメリカの司法制度では、一般市民から選ばれた12人の陪審員が有罪・無罪の評決をだします。 審理の内容をもとに、陪審員だけで話し合い、有罪の評決を下すには全員一致の必要があるんです。 有罪になった場合は、判事が量刑を決め、トランプ氏側は判決が不服の場合は上訴することができます。 また全員一致しない場合は、「評決不成立」で審理無効となり、新たに陪審員を選び審理自体がやり直しになることもあるんです。
■大統領選挙への行方は?
Q 裁判の結果が大統領選挙に与える影響は? ロイター通信の調査によると、トランプ氏が有罪の場合、共和党員の4人に1人、無党派層の60%がトランプ氏に投票しないと回答していて、バイデン大統領への追い風となる可能性はあります。 またトランプ氏は無罪を主張しているため、上訴することはほぼ確実です。その場合は今後多くの資金を裁判に費やすことになると思われます。 反対に無罪の場合は、トランプ氏側が勢いづく、結果になるといえそうです。 トランプ氏の評決は大統領選挙に影響を与える可能性があり世界が注目しています。