久里さん功績しのび記帳、常設展無料開放 まなべの館
11月24日に96歳で死去した福井県鯖江市出身の漫画家、久里洋二さんが名誉館長を務めた同市まなべの館で12月17日から、弔問の記帳台が設けられた。館内の常設展「久里洋二の部屋」の無料開放も始まり、来館者が久里さんの功績や人柄をしのんだ。いずれも28日まで。 アニメ作家として国際的な評価を受けた久里さんは2010年から、まなべの館の名誉館長を務めた。 出入り口付近に設けられた記帳台には、自身がデザインした同館前のモニュメントで撮影された久里さんの写真や花が飾られ、訪れた人が記帳した。久里さんの歩み、ふるさと鯖江への思いを語った様子を紹介する映像も流された。 3階の常設展は、脚がスラリと伸びた女性を描いた「ジュリアンヌ」シリーズやアニメーション作品など約20点が展示されている。市内外から訪れた人たちが久里さんとの別れを惜しみながら見入っていた。 記帳した市内の男性は「色彩感覚やアイデア、発想が飛び抜けていた。久里さんを超える人はいないのではないか。本物の文化を後世に引き継いでほしい」と話していた。 まなべの館には久里さんの作品が寄贈、寄託合わせて1700点余り収蔵されている。常設展の作品は年2回入れ替えているほか、鯖江市役所での展示やデジタルアーカイブ事業も行っている。開館時間は午前9時~午後5時。月曜休館。