『下妻物語』『ハピネス』作者・嶽本野ばら ロリータへの愛語る 「お洋服に助けられて生きてきた人生」
日テレNEWS NNN
小説『下妻物語』などで知られる作家・嶽本野ばらさん。2006年に発表した『ハピネス』が、俳優の窪塚愛流さん(20)と蒔田彩珠さん(21)のW主演で映画化され、5月17日に公開されました。嶽本さんにインタビューし、物語をつくる時のこだわりや、自身にとっての『ロリータファッション』の存在などについて伺いました。 映画『ハピネス』は、心臓の病気のため余命1週間を告げられた高校生・由茉(蒔田さん)と、彼女に寄り添い続ける恋人・雪夫(窪塚さん)の物語です。人目を気にしてできなかったロリータファッションをして、大好きな人と残りの人生を笑顔で幸せに過ごす姿が描かれます。
――原作者として映画を見ていかがでしたか? (出版してから)結構長い間たっている昔の作品なので、“何で今?”という(気持ちで)完成するまであまり信じてなかったんですけど、でもあるんですね、ちゃんと公開される(笑) ――執筆したときはどんな思いだったのでしょうか? 原作自体は出したときはものすごく自信があったんですけど、思いのほか売れなかったんです。小説家デビューを2000年にしてから、自分が書かなきゃいけないと思っていたことが『ハピネス』で書き尽くした“集大成”と脱稿したときに思って、引退を決意してたんですけども、売れなかったのでこのままフェードアウトちょっと違うなと思ってズルズルとここまで。ようやく評価を受けるタイミングが来たのかな、感慨深いです。
■執筆のこだわりは「性格、人物像は全部お洋服で表現したい」
――物語をつくるときのこだわりはありましたか? 『この人はどんな服装をしている、どんな格好をしている』というところから人物を設定していくんです。今回も『Innocent World』(お嬢様スタイルのブランド)が好きな女の子というところから物語を設定していくので、お洋服ありき。作家さんだったら人物造形のときに、この人はどこの大学を出て、どこの会社にいて、交友関係はどうとか。僕の場合は性格、人物像を全部お洋服で表現したい。