『下妻物語』『ハピネス』作者・嶽本野ばら ロリータへの愛語る 「お洋服に助けられて生きてきた人生」
■「お洋服に助けられて生きてきた人生」
『下妻物語』や『ハピネス』など、ファッションを通して物語を描き、読者を魅了してきた嶽本さん。普段、自身もフリルやリボンがついた『ロリータファッション』をすることが多く、学生時代には周りと異なる好みから、“生きにくさ”を感じてしまうこともあったといいます。 ――普段、ロリータの洋服を着ることも多いそうですね? 男子だし、年も50(歳)を過ぎてるし、もう初老だし、ロリ服とか着ちゃいけないんですけど。“店員さんも嫌だろうな”と思って、(店に)入れなかった時期はあったんですけど、もう超えちゃって。お洋服に対しては含羞がないというか、ずうずうしいです。 ――ロリータ服を好きになったきっかけを教えてください。 小学校の時に少女漫画に出会っちゃって、友達は男の子だから野球、サッカー、戦闘モノのアニメの話とか、“入り込めないんだよな…”と思ってて、“僕が変なのかな…”と思って、できるだけ合わそうとはしてたんですけど『キャンディ♡キャンディ』を見て、“ここに自分の好きなものが入ってる。自分はこういうものが好きなのか”ってしっくりきて。
――生きにくさを感じてしまう時期はありましたか? 中学生になると制服着せられるでしょ。学ランだったんですよ。髪の毛も耳を見せないと校則違反とか。(小学生まで)ずっとボブだったんですよ。「そんな長いの校則違反」って言われて学生時代はそれでものすごく生きにくいなと。好きなお洋服を着ているときは全然生きやすいので、お洋服に助けられて生きてきた人生でした。 ――『ロリータファッション』は嶽本さんにとってどんな存在ですか? あって当然のものですけど。自分の背筋を伸ばすというか、ちゃんと自分として恥ずかしくないようにするための『相棒』っていうか『先生』っていうか『お友達』でもあるし『恋人』でもあるし。