芸能人の子息も通園 「虐待隠ぺい疑惑」の元麻布”セレブ保育園”に港区が異例の「指定管理取消」通告
’19年に開園した元麻布保育園は「医療的ケア児」「障がい児」が園内に開設されたことが注目を集め、全国から多くの関係者が視察に訪れた。岡本理事長も開園当初は職員への手土産を持って様子を見に来ていたが、他にも多数施設があるため、段々足が遠のくと、監視の目が届かなくなったようだ。元麻布保育園に勤務したことのある保育士が明かす。 「園長とうまくコミュニケーションが取れない保育士が増えました。園長は職員に対しては『事故があったら報告書をすぐに送りなさい』と厳しく言うのですが、自分にとって都合が悪いことになるとごまかそうとするんです。 コミュニケーションをうまくとれない保育士の中には、高圧的に“退職勧奨”をされてそのパワハラ的な言動に疲れて自ら命を絶とうとした人もいました。ほかにも自殺を図った職員がいます。幸い、死に至らなかったのでそこだけは救いですが、普通に考えれば大ごとです。 開園当初から港区は、さまざまな問題を把握しており、また内々で入った情報から港区は法人に対して指導もして『園長交代』を要請したようですが、法人側は港区と敵対しているような状態で結果的に園長の交代をせずそのままできています」 昨年9月末、3歳児クラスにいた女児の左肩後ろ辺りに大きな傷ができてしまい、女児の母親が翌朝、保育園に対し、「何があったのでしょうか」と説明を求めてきた。元麻布保育園の保育士のひとりが明かす。 「お母様からの訴えを受けて、園内で保育士にヒアリングがありました。当該の女児が『やってはいけない』と注意してもなかなか聞かなかったので保育士が腕を引っ張ろうとしたときに、その手があやまって女児の左肩後ろ辺りにひっかかって爪があたってしまった、という説明があったそうです」 ただその傷は、単に保育士の手が引っかかった、という類いの傷ではなく、女児の左肩後ろ辺りの部分は紫色のあざになり、数日たっても消えなかったという。東京都の保育園に勤務する保育士はこう解説する。 「3歳は話をして理解ができる年齢なので、腕を引っ張ろうとしている時点で不適切保育だとみなされてしまいます。お子さんに与えたダメージの大きさによっては虐待と言われても仕方がありません」 女児に傷を負わせてしまったこともさることながら、その後の園長の対応も問題視されるものだった。事情を知る同保育園の関係者がこう明かす。 「港区内の保育園のルールで、このような事案があったら、どんな小さなことでも業務日誌に書き記し、翌月には港区にも報告しなければいけません。園長からも“事故があったらすぐに報告しなさい”と言われてきましたから、何が起きたか、保育士と女児側の双方からヒアリングした内容をすぐに園長にも口頭で報告したのですが、(業務日誌には)書かれていなかったのです。 園長は、気づいた周りの保育士からも『書かなくていいのでしょうか』と言われたのに、『3歳の担任から事故報告書があがってこないからいいわよ』と言って書かなかった。園長は、親御さんから子どもに対して不適切な行為があるとすぐに子ども家庭支援センターに通報するのに、自分の“部下”にあたる保育士がお子さんに傷をつけてしまったら動きが急に鈍る。これは『隠ぺいしようとした』と指摘されても仕方がないです…」