山崎紘菜、常盤司郎監督、ブランデッドムービー『父を、乗せて。』の魅力を語る
米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭ショートショート フィルムフェスティバル & アジアの中の一部門、世界の動画マーケターが注目するブランディングを目的としたショートフィルムの祭典『BRANDED SHORTS 2024』で、完全栄養食「BASE FOOD」を開発・販売するベースフード株式会社が、同社初となるブランデッドムービーの完成発表を行った。俳優の山崎紘菜、村上淳という商業映画でも活躍する2人をメインに制作したブランデッドムービー『父を、乗せて。』にはどんな思いが詰まっているのだろうか。本作を手掛けた常盤司郎監督、主演の山崎、そしてベースフード株式会社にてマーケティング部ブランド担当の溝口究が対談を行った。 【動画】山崎紘菜「2時間の映画を観たような気持ちになれる」15分のショートムービー『父を、乗せて。』 ■商品を前に出さないモノ作り 『父を、乗せて。』は、「一人ひとりが自分らしく輝く明日へ。」というテーマのもと、それぞれの大切な人へ「健康」という想いの輪をつなぐブランデッドムービー。山崎が演じるのは、やりたい仕事もなく、なんとなく生きる中、父の実家である過疎地でタクシードライバーとして働くことを決める女性・あかね。初めてやりがいを感じる日々を送っていたが、村上扮する父は娘を心配するあまり怒ってしまい、以来気持ちはすれ違ってしまう…というストーリーだ。 ――ベースフード株式会社にとって初となるブランデッドムービーでしたが、どんなことを意識されていたのですか? 溝口:完全栄養食を展開する食品メーカーなので、食品の価値という意味では、おいしいとか、お腹がいっぱいになる、健康になる……などのメッセージを伝えていきたいと思っています。しかし、ブランドとしては“もっと先”というか、「BASE FOOD」を通して充実した暮らしや心と体の豊かさを表現したいなという思いがありました。そういった思いを伝える手法として、ブランデッドムービーというのはとても最適なのかなと思ったんです。 ――実際に出来上がった作品をご覧になっていかがでしたか? 溝口:本当に素晴らしいものを作っていただけました。我々の伝えたいことが可視化されていて、非常にうれしかったです。 ――常盤監督や山崎さんは商業映画でも活躍されていますが、今回参加してみて、こうしたブランデッドムービーにどんな印象を持ちましたか? 常盤監督:ひとつの姿勢として、商業映画だから、広告だから、ブランデッドムービーだからといってなにかを変えるということはしたくないと思っていました。普通の広告だと15秒とか30秒の短尺なので、訴求する内容はまったく異なります。「BASE FOOD」もコマーシャルは行っていますが、そちらは商品の内容を訴求するための映像。今回はそれを一切やっていません。「相手への想いを伝える」というのが大きなテーマのなか、「想いが伝わらない」という状況を設定し、物語に落とし込みました。その意味で、広告とはまったく違うアプローチができたという実感がありました。 山崎:私は今回初めてブランデッドムービーに携わらせていただいたのですが、とても幸運だなと思ったのは、ベースフードさんが、自分たちの商品を強く前に出したいという思いを一切持たず、お芝居をしやすいような環境を作ってくださったことです。現場にも毎日足を運んでくださいましたし、真摯に作品に寄り添ってくださったので、本当にいつもと変わらない気持ちで作品に臨めました。 ――山崎さんや村上さんとの現場はいかがでしたか? 常盤監督:スケジュールがかなりタイトで村上さんとはあまり現場でしゃべることができなかったのですが、リハーサルではしっかりとお話しをしていたので、最後までプロとしてやり遂げていただけて感謝してます。山崎さんとはリハーサルや本読みの前から、どういうトーンでいくのか、感情の動きをどうするか、じっくりとコミュニケーションを取らせてもらっていたので、非常にスムーズでした。一緒に作り上げていく感覚がありました。まあ現場ではほとんどがバカ話ばっかりだったんですけれどね。 山崎:バカ話ばかりじゃなかったですよ!(笑)。 常盤監督:いやいや。結構2人でコントみたいなことして遊んでいました(笑)。 山崎:私はお会いする前から、監督の映画を拝見していたのですが、いつかこういうお芝居ができるようになったらいいなとか、こういった作品に出演できたらいいなと思っていたので、今回ご一緒できてとても光栄でした。現場でも「僕はお芝居ができないので教えてください」とおっしゃられていて、すごく俳優を尊重してくださる方だなと。自分も俳優としてどういう提案ができるのかと常に考えながら撮影に臨んでいました。とても素敵な現場だったので、またご一緒できるようにこれからも精進したいです。