ザウバー/アウディの来季F1シート争い、ボッタスが優勢か「ある程度進展があった」対抗馬はマクラーレン育成の若手
新レギュレーションが導入される2026年からF1新規参戦を果たすアウディの戦略パートナーとして、ワークスチーム化が約束されているザウバー。2025年から新時代に向けた開発が本格化し、それを牽引するドライバー選びが重要になってくる。 【リザルト】F1 2024 イタリアGP決勝 すでにチームはハースからニコ・ヒュルケンベルグの獲得を発表。来季に向けて1席が残っている状況だが、その“イス取りゲーム”で優位に立っているのは現在もザウバーで参戦するバルテリ・ボッタスのようだ。 これまで様々なドライバーに興味を示してきたザウバー/アウディだが、現行レギュレーション最終年に向けて現在はボッタスを第1目標として捉えているようだとmotorsport.comイタリア版が最初に報じた。 ボッタスは1年契約+1年オプションという条件を求めていたと考えられているものの、ザウバー/アウディから提示されたのは単年契約だったようだ。 もともとアウディはフェラーリ放出が決まっていたカルロス・サインツJr.の獲得を望んでいたが、そのサインツJr.はウイリアムズ移籍を決断。アウディは2026年シーズンに向けてドライバーを選び直すことができるよう、単年契約しか提示しない意向のようだ。 もし気が変われば、アウディは昨年のFIA F3チャンピオンで今季のFIA F2チャンピオン候補である、マクラーレン育成のガブリエル・ボルトレトに目を向ける可能性もあると見られている。そのボルトレトはF2モンツァ戦のフィーチャーレースで最後尾から優勝と、パドックから大きな注目を集めた。 ボッタスはイタリアGPを前に、今季のザウバーがいかに不調であるかを説明しつつ、チームに新しく最高執行責任者(COO)兼最高技術責任者(CTO)として加わったマッティア・ビノットの手腕を全面的に信頼していると語った。 「僕らは十分なステップを見つけられていない。それは明らかにファクトリーでの開発に因るところが大きい」とボッタスは語った。 「他のチームはもっと大きなステップを踏んでいる。アルピーヌが良い例だと思う。僕らはシーズン序盤こそ彼らの前にいたが、今は明らかに彼らが前だ」 「十分なラップタイムを見つけられなかった。シーズン序盤のベース車両は、それほど大きく外れていなかったと思う。でもシーズン当初から今に至るまで、十分なステップを踏んでいない。それが一番の問題だと思う」 「前の首脳陣を悪く言いたくはないけど、少し形を変えていくのは、長期的には良いことなのかもしれない」 「僕はマッティアに全幅の信頼を置いている。彼はチームを率いる術を知っているし、この数週間でチームに何が必要なのか多くを知ったと思う。そして今回が初めて、サーキットで僕らがどのようにチームを運営しているのかを見る機会になる」 「だから、彼はさらに吸収すると思う。今シーズンは奇跡を期待しているわけじゃない。マッティアの存在が来年に役立つと思う」 ボッタスは、ビノットと契約延長に関して話し合っていると付け加えた上で、次のように説明した。 「今週も話し合いを続けた。火曜日にファクトリーへ行って、進展があったんだ」 「でも、ここで契約を結ぶつもりはない。僕らはレースをするためにここにいる。難しい週末から立ち直る事に集中しているし、来週もある」 「僕としては、選択肢が限られている。そういうモノだし……(ビノットは)チームのために僕から何を引き出せるかをよく理解している。それは僕にとって良いことなんだ」 「何年か先のプロジェクトに関わることができるなら興味深いし、自動車メーカーのモノだ」 「その2点で、僕は興味がある。僕らはある程度進展があったけど、それ以上のことは何も言いたくない」
Ben Hunt, Roberto Chinchero
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