スニーカーは4月中旬までに買うべし。メーカー別「買ってはいけない靴と買うべき靴」
こんにちは、シューフィッターこまつです。靴の設計、リペア、フィッティングの経験と知識を生かし、革靴からスニーカーまで、知られざる靴のイロハをみなさまにお伝えしていこうと思います。 GWのお出かけ用のスニーカーを買うならサイズが揃っている4月中旬までがリミットです。下旬になるとショップが激混みするうえに、メーカーも休みに入るため、目当ての靴を買うことが困難になります。買うなら今です。 ⇒【写真】アディダスで選ぶべき一足 買うポイントは、「①シンプル」で「②素材がチープすぎない」の2点を守りつつ、履いた瞬間の足のセンサーを信じて選んでください。少しでも不安がある場合は買わないように。よくわからないという方は、トレンドを鑑みつつ、歩きやすいスニーカーをナイキ、アディダス、アシックスから3足セレクトしたので、ご参考に。
ナイキ「トレンドより定番を狙え」
世間では、1990年代~2000年台前半の復刻がはやっていますが、ナイキは要注意。選択をまちがえると、とっくに過ぎ去った青春をいまだに追いかける懐古中年になりかねません。例えば、その代表が「フルフォース・ロー」。靴単体でみると確かにカッコいい。つい手を出したくなる気持ちはわかりますが、履きこなすのは至難の技です。ボリュームがあるので欧米人かモデル並みの体型の持ち主でないと似合いません。アッパーが不必要にうるさく、底のごつさも中途半端。ベロのバスケットボールの模様も、悪く言えば子どもっぽい。肝心の履き心地は、カカトのカーブが欧米人向きのスーパーストレートなので、脱げやすいという特徴もあります。 そもそもバスケットボールシューズなので、バスケをしない限りはファッションシューズの域を出ません。全体のつくりがとにかく硬く、長時間歩くには不向き。GW中に行列で立ちっぱなしなどのシーンに遭遇すると、足の痛さで泣きたくなるはずです。 今のナイキであれば、正解は「エアマックス1」でしょう。37年前から売れ続けている名作中の名作。余計な素材が一切なく、完全に大人目線の1足です。ファッションの原則として、「靴だけ」が目立ってしまってはいけません。おしゃれは足元からと言うように、悪目立ちとはまったく意味が異なります。エアマックス1であればチープさの欠片もない完成されたデザインで、先端が細いにもかかわらず適度なボリューム感で足元を整えやすい。デニムやワイドパンツ、ハーフパンツであっても似合ってしまいます。目の肥えたスニーカーマニアからも一目置かれる存在なので、ナイキで迷ったらこれ一択。そもそもの設計が本格ランニングシューズなので、歩きづらいといったことも一切ありません。