80歳、東京23区歩いて一周 野々市の山﨑さん 「同世代、挑戦の気持ち持って」
●12日間で121キロ 野々市市中林1丁目の山﨑忠司さん(80)は29日までに、徒歩で東京23区を一周した。東京駅を出発し、各区役所を目標にして12日間で121キロを歩いた。73歳の時には北海道から沖縄まで日本列島を15年かけて歩いて縦断したこともあり、山﨑さんは「自らの歩く姿で何かに挑戦する気持ちを同世代が持ってもらえればうれしい」と話している。 山﨑さんは40歳から足腰を鍛えようとランニングを始め、マラソンも経験した。56歳で両膝を手術した後はリハビリを兼ねてウオーキングを開始。これまで日本列島縦断や加賀藩の参勤交代ルートの東京-金沢間などを歩いたが、大都会をじっくり歩いたことがなかった。 今回は11月20日に東京駅を出発。中央区役所から品川、目黒、世田谷など南部から西部に進み、中野、板橋、葛飾、江戸川へと北上、台東、文京の東側、新宿、港の内部を巡り、12月1日に23区最後の千代田区役所にゴールした。 地図を頼りに区役所間の最短ルートを通り、浅草寺や上野公園、小石川後楽園、都庁展望台、新宿御苑など観光も楽しみながら、1日平均約20キロを歩いた。 ●道中で道案内受ける 道に迷った際は付近の人に話し掛けると、多くはスマートフォンの地図で親切に教えてくれた。神宮外苑を通った時は散歩中の高齢女性が見頃を迎えたイチョウ並木を案内してくれ、出口が分からなくなった新宿の地下街では一緒に探してくれた人もいたという。 山﨑さんは昨年12月に脊(せき)柱管狭窄症(ちゅうかんきょうさくしょう)の手術で2週間入院した。状態が悪ければ電車や地下鉄に乗ることも考えていたが、一度も使わずに済んだ。多くの人の優しさを感じたと振り返り、「歩いて良かった。東京の魅力を見直した。歩くことに生涯チャレンジしたい」と話した。