どうなるJリーグ三つ巴のV行方?横浜F・マリノスは最短30日に15年ぶり優勝を決めることができるのか?
第31節で再び首位に立ったものの、前節では湘南ベルマーレに引き分けて再び陥落した。森保ジャパンの11月シリーズに招集され、戻ってきたばかりの永井、MF橋本拳人、そしてDF室屋成へ期待をかけるからこそ、長谷川健太監督も厳しい言葉を残している。 「日本代表組がいつもよりも疲れがある、というのは否めない。もっと(永井)謙佑が攻守でスイッチを入れるところで、いつもより運動量や迫力がない。(橋本)拳人もそんなことではしょうがない。もっと、もっとたくましくなってほしいと思う」 ジリジリと順位を上げ、10月6日の第28節でFC東京から首位を奪取したアントラーズは、けが人の多さもあって波に乗りきれない。11月9日の第31節で川崎フロンターレに屈して首位から陥落すると、サンフレッチェ広島との前節もスコアレスドローに終わった。 首位マリノスとの勝ち点差は4ポイント。ヴィッセル神戸をホームに迎える今週末の結果次第では、優勝の可能性が潰えるおそれもある。センターバックのブエノ、サンフレッチェ戦でようやく戦列に復帰したボランチ三竿健斗が累積警告で出場停止と、陣容的にも苦しいと言わざるをえない。 もっともマリノスとFC東京も今週末には難敵を迎える。マリノスは敵地・等々力陸上競技場でフロンターレとの神奈川ダービーに臨む。リーグ3連覇の夢を絶たれたフロンターレだが、来シーズンのACL出場権を獲得できる、3位に食い込む可能性はまだ十分に残している。 何よりも王者の意地もある。5戦連続で負けなし(4勝1分け)とチームを建て直してきた過程で、アントラーズを引きずり下ろした。お互いにボールを保持する攻撃的なスタイルを、真っ向からぶつけ合う白熱の一戦となることは必至だ。 FC東京は2014シーズン以降の公式戦で3分け10敗とひとつも勝てていない、苦手の浦和レッズをホームの味の素スタジアムに迎える。レッズは24日のACL決勝でアルヒラル(サウジアラビア)に一敗地にまみれ、今シーズンの無冠が確定した。しかし、J1でまだ残留を確定させていない状況だけに、プライドをかけて、目の色を変えてFC東京に臨んでくるだろう。 ただFC東京は、来月7日の最終節で敵地・日産スタジアムに乗り込みマリノスと初優勝をかけて直接対決する。そこまでは絶対に負けられない。DF森重真人の起死回生のゴールで引き分けに持ち込んだベルマーレ戦後に、橋本は「レッズの壁を乗り越えないと優勝はない」と言い切り自らを奮い立たせている。 現状では戦い方に迷いがなく、一戦ごとに自信と勢いを膨らませてきたマリノスが優位に立っていると言っていいJ1の優勝争い。ただ、些細な部分で流れが変わるのも勝負の世界と考えたとき、午後2時にいっせいにキックオフされる今週末の第33節が占めるウエートが一気に増してくる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)