どうなるJリーグ三つ巴のV行方?横浜F・マリノスは最短30日に15年ぶり優勝を決めることができるのか?
俊輔が言及した「先端が尖っている」とは、攻撃面もさることながら、守備面でフィルターをかけている働きをさす。相手のボール保持者やパスコースへ4人が執拗にプレスをかけ続けることで、ボランチや最終ラインの選手たちも的を絞りやすくなる相乗効果が生み出されている。 マリノスの総失点37は、リーグで少ない方から8番目にランクされる。最終ラインを高く保ち、サイドバックも中に絞ってビルドアップに参加する超攻撃的な布陣で戦ってきた代償と言えるが、8勝1分けと無敗を継続している直近の9試合に限れば7失点に押さえ込んでいる。 一方で攻撃陣は9試合で24ゴールを叩き出している。攻守両面が抜群のハーモニーを奏でるチームの戦いぶりに、かつてないほど大きな手応えを感じているのか。仲川はこんな言葉を残している。 「勢いや流れというのはいま、自分たちにあると思っている」 4月19日の第8節から、9月29日の第27節まで首位をキープ。一時は2位に勝ち点7ポイント差をつけて独走していたFC東京は、シーズン途中の6月14日にレアル・マドリードへ電撃移籍した日本代表MF久保建英(現RCDマジョルカ)の穴を埋め切れていない。 開幕から10勝3分け1敗と快調に勝ち点を伸ばしてきた軌跡が、久保の移籍後は9勝3分け6敗とブレーキがかかっている。万能型のディエゴ・オリヴェイラ、群を抜くスピードを誇る永井謙佑の強力2トップの背後に久保が顔を出し、創造力を融合させる攻撃を再現することは難しい。 ただ、夏の移籍市場で有効な補強ができなかったことで、リーグで2番目に失点が少ない堅守からカウンターを仕掛け、オリヴェイラと永井の決定力にかける戦い方がより顕著になった。もっとも、必然的にマークも厳しくなる。9月以降の戦いに限れば、14ゴールで得点ランク2位のオリヴェイラ、森保ジャパンにも招集され続けている永井はともに1ゴールに甘んじている。