下落するビットコインをクジラが安値で拾う
アメリカでのビットコインスポット上場投資信託(ETF)デビューの余波で主要暗号資産(仮想通貨)が下落を続ける中、大口の保有者である「クジラ」は、より安い価格でビットコイン(BTC)を手に入れているようだ。 米CoinDeskのデータによると、スポットETFが1月11日にアメリカで取引を開始して以来、ビットコインは約19%下落し、3万9000ドル台になった。 そのため、暗号資産取引所ビットフィネックス(Bitfinex)でビットコインをバーゲン価格で買うクジラもいる。取引高トップ10の取引所の1つであるビットフィネックスのクジラは市場に波風を立てることで悪名高い。 TradingViewのデータによると、週末、ビットコインは世界の平均価格と比較してビットフィネックスでは100ドルのプレミアムで取引された。記事執筆時点ではプレミアムは70ドル近辺で、それでもコインベース(Coinbase)やバイナンス(Binance)といった他の取引所よりも顕著に高い。 匿名の市場アナリストでトレーダーのビザンチン将軍(Byzantine General)は「ビットフィネックスの誰かが3日間続けてTWAPでBTCを買い続けており、それがビットフィネックスで大幅なプレミアムで取引されている理由だ。私の推定ではこれまでに費やされたのは約5000万ドル(約75億円、1ドル=150円換算)だと、1月21日にXに投稿した。 TWAP(取引加重平均価格)とは、大口注文を時間をかけて分割して行うアルゴリズム戦略で、トレーダーが大口注文の際のスリッページを最小限に抑えるのに役立つ。スリッページとは、取引注文が執行される価格と注文した価格とのギャップのことだ。 FTXの破産管財人による売却とグレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)からの流出により、BTC価格は一時、12月初旬以来初めて3万9000ドルを下回ったため、いわゆるTWAP買いは23日も続いた。 このディップ需要は、ビットフィネックスの強気レバレッジのベットへの関心の再燃からも明らかである。 チャートによると、BTC/USDのロング、つまり強気のレバレッジベットの数は、1週間で8%近く増加し、7万3000を超えている。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:TradingView|原文:Crypto Whales Hunt for Bargains As Bitcoin Prices Slide, Data Shows
CoinDesk Japan 編集部