「関鯨丸」船団が捕獲した鯨肉、母港・下関市で初競り…イワシクジラの「尾の身」1キロ20万円
捕鯨会社「共同船舶」(東京)の新母船「関鯨丸」の船団が商業捕鯨で捕獲した鯨肉が14日未明、母港・山口県下関市の下関漁港地方卸売市場で初めて競りにかけられた。イワシクジラの生肉約2トンで、尾びれの付け根付近の希少部位「尾の身」に1キロあたり20万円の最高値が付いた。 【写真特集】新捕鯨母船「関鯨丸」下関港を初出港
今年3月に完成した関鯨丸は5月に下関市を出港し、主に北海道や東北沖で操業している。今月11日現在、イワシクジラ19頭、ニタリクジラ175頭と、今夏から捕鯨対象に加わった大型のナガスクジラ20頭を捕獲。大半は冷凍して仙台市に陸揚げしている。
鯨肉のおいしさをPRすることを目的に今回、特別に生肉を上場した。6~8日に北海道沖で捕獲した雌5頭のうち、厳選した尾の身約0・4トンと赤肉約1・6トンで、仙台市から冷蔵トラックで陸送した。
この日は競り人の声が響く中、買受人が次々と競り落とした。尾の身を最高値で買い入れた仲卸・水産加工会社「魚重」(下関市)の長谷川豊専務(41)は「色目が良く、サシの入り方も抜群」と話していた。
取引された生肉は下関市内外の飲食店などで提供されるという。共同船舶は、12月12日にはナガスクジラの生肉を上場する予定。