Bloomberg

（ブルームバーグ）： 米アップルが２日発表した１－３月（第２四半期）決算で、中国の売上高は市場予想を上回り、投資家を驚かせた。ここ数カ月にスマートフォン「iPhone」販売の急速な減少がデータで示されていたためだ。

ティム・クック最高経営責任者（ＣＥＯ）は中国本土のiPhone売上高について、2022年の新型コロナウイルス禍のサプライチェーン混乱に伴う調整前の「報告ベース」で増加したと指摘。同社の純売上高の18％を占める中国市場に関して、長期的に楽観的な見方を重ねて示した。

中国は巨大市場であると同時に世界のiPhone生産拠点としての役割を担っていることから、投資家は同社の中国での業績を注視している。

１、２月のiPhoneの中国出荷台数が大幅に減少したことが政府のデータで示されたほか、カウンターポイント・リサーチの推計によると、iPhoneの中国販売台数は１－３月（第１四半期）に19％減少。市場調査会社ＩＤＣは、同四半期のiPhoneの世界出荷台数が前年同期比で10％減少したと推定した。こうした食い違いは、アナリストとアップルの売上高の算定方法の違いから生じている可能性がある。

ＩＤＣのアナリスト、ウィル・ウォン氏はアップルの決算発表後、「平均販売価格は、なぜ差が生じたかを説明する上で重要な役割を果たしている。ＩＤＣは店頭価格を基に算出したが、アップルは財務報告で工場出荷価格など別の価格水準を使っている可能性がある」と分析した。

アップルは地域別の詳細なデータを提供せず、全体のiPhone出荷台数も明らかにしていないため、外部のアナリストは入手可能な情報を解析せざるを得なくなっている。カウンターポイントのアナリスト、チャールズ・ムーン氏は、中国の今年のiPhone販売は新しめのモデルに一段と偏っており、１台当たりの平均販売価格が押し上げられていると分析。これによって、販売台数が減少したとみられる一方で、売上高が増加したことが説明されるかもしれないと指摘した。