「年収800万円」なのに住宅ローンの審査に落ちました。3年前に「携帯代を滞納」していましたが、今は普通に支払い能力があるのですが……
年収は十分に有しているのに、住宅ローンの審査に落ちる方は、一定数存在しています。 なぜ支払い能力が十分にあっても、このようなことが起こるのでしょうか。現在の支払い能力と過去の金融事故との関係について、確認していきます。 ▼がんの発覚で「住宅ローン」がチャラに!? その驚きの理由を解説
過去の携帯代の滞納はローンの審査に影響する
意外に思われるかもしれませんが、携帯代の支払いの滞りが住宅ローンの審査に影響することがあります。 なぜなら、その滞納歴が「信用情報機関」にデータとして蓄積され、住宅ローンの借り入れの可否を判断する金融機関がそのデータを利用し、他の事情も含めて総合的に判断しているからです。 仮に年収が800万円あり、4000万円から5000万円程度と、一般的には許容される範囲内の額の住宅ローンの審査を受けたとしても、携帯代の滞納が過去に存在していると、他の条件次第では審査に落ちてしまうことも十分あり得るのです。 審査は何も、今の状況だけを見るわけではありません。今は支払い能力があったとしても、過去に携帯代の滞納など、何かしら支払いが滞ったという事実があれば「今後もそういったことが起こらないとも限らない」と判断されてしまうわけです。 もちろん審査の基準や判断の理由は金融機関によって異なる部分でもあるため、一概には言えませんが、基本的に携帯代の支払い履歴も、住宅ローンに影響すると考えておくべきでしょう。
滞納があれば住宅ローンは通らないのか
携帯代の滞納があれば絶対に住宅ローンには通らない、というわけでもありません。その携帯代が通話料金などだけであれば、住宅ローンへの影響は小さく、年収800万円で住宅ローンに通らないということは考えづらいです。 なぜなら、携帯代の滞納歴が信用情報機関へ登録されるかどうかは、割賦代金(かっぷだいきん)が含まれているかを基準に判断されるからです。 具体的に言えば、携帯代をクレジットカードで支払っている場合や、携帯電話の本体の代金を分割で支払っており、携帯本体の代金が毎月の携帯代に含まれているような場合です。 これらは信用情報機関に滞納歴が保管される「割賦代金(かっぷだいきん)」に該当します。割賦代金とは、代金を分割して支払う「割賦販売」の代金のことです。最近では高額なスマホであっても、割賦販売を利用して、2~3年間で支払いを毎月分割することで、購入しやすくなっています。 実際、よく利用されている情報機関のJICCでは、「通話料金等のみであれば割賦商品に含まれないため信用機関には登録されません。ただし、お支払いにクレジットカードを利用されている場合、クレジットカードのお支払いの延滞情報が登録される場合がございます。」とされています。 多くの方が割賦販売で高額なスマホを購入していることでしょう。また、支払い方法の利便性やポイント還元などを目的として、携帯代をクレジットカードで支払っていることもあるでしょう。 そのため「3年前に携帯代の滞納をしたことが理由で、住宅ローンに通らない」ということはありえない話ではないのです。