「弁護士が誰もいない」状態が約70年も続いた長野県木曽地域 新たに事務所開設したのは広島県出身の30歳 「一緒に悩む存在になりたい」
半世紀以上弁護士が不在だった長野県の木曽地域で16日、木曽ひまわり基金法律事務所(木曽町福島)が開所した。日本弁護士連合会などの支援を受けて開設する「ひまわり基金法律事務所」制度を活用。全国124番目で、県内の設置は初めて。18日に業務を始める。 【写真】活動への意気込みを語る門田弁護士 県弁護士会によると、木曽地域で弁護士が登録していた記録は1956(昭和31)年までさかのぼり、その後は誰もいない状態が続いた。同会松本在住会は、住民が司法サービスを受けられるよう無料の法律相談会を10年以上にわたって開催。成年後見事案への対応などで地元から弁護士が切望されたこともあり、県弁護士会は2022年、同地域への事務所誘致を決め、日弁連などに働きかけてきた。 16日は事務所の見学会や開所式、祝賀会があった。町内で開いた記者会見で、所長の門田(もんでん)雅也弁護士(30)=広島県福山市出身=は「どんな分野でも十分な知識、経験を持って当たれるよう努力してきた。相談や悩みを聞き、一緒に悩む存在になりたい」と意気込みを語った。日弁連の小林元治(もとじ)会長は「地域の皆さんのために活躍するよう切に願う」と激励した。 木曽ひまわり基金法律事務所は、洋服店だった平屋を借りて改修した。営業は平日の午前9時半~正午と午後1~5時半。