韓国最高裁で「逆転無罪」判決、名誉毀損罪に問われた『帝国の慰安婦』の著者・朴裕河氏に聞いた 「学術的な議論を刑事裁判に問うのはおかしい」
「日韓の慰安婦支援団体とそれに反発する両極端な声だけが強まり、実際の慰安婦たちは置き去りにされてきました。韓国では、当事者の救済を最優先にすべきだという『被害者中心主義』の考えが『支援団体中心主義』になっていき、誰のための運動なのかわからない状況に陥ってしまいました」 ―慰安婦や徴用工問題など、見解の分かれる歴史問題が司法の場に持ち込まれるケースも多いです。 「私は、そうした動きを『法至上主義』と呼んでいます。結局は法律的に勝つことが目的となり、さまざまな見方は排除されていく。それでは根本的に解決はできません。必要なのは、相互理解と共感なのです」 ―歴史問題で日本に求められるのは。 「国民を代表する機関である国会が、過去の植民地支配をどう考えているのか、何らかの見解を表明すべきだと思います」